韓国農村経済研究院は報告書「2007年の北朝鮮農業の見通しと協力課題」で、国連世界食糧計画(WFP)の熱量(エネルギー)・人口分析統計に基づき、北朝鮮の2006年11月~2007年10月の食糧総消費量を524万トンと推定した。WFPは現在、北朝鮮を「緊急食糧支援国」に分類し、北朝鮮住民に1人当たり1日1400キロカロリー(年間167キログラム)程度必要としている。これは世界保健機関(WHO)が推奨する熱量の75%に当たる。また、今年7月時点の北朝鮮の人口は、WFPの2005年5月1日現在の北朝鮮人口推定値2370万6000万人に年平均増加率0.9%を適用し、2413万5000人になると予測した。一方、統一部はWHO基準の正常なエネルギー摂取量と人口推計2267万人から、今年北朝鮮が必要とする食糧規模を647万トンと分析している。
供給面でみると、平年並みの天候と肥料供給を仮定した場合、今年の北朝鮮の食糧生産量は430万トン前後と推定され、これに国際社会の支援と商業的な輸入を加えると食糧供給量は合計470万トン程度と見込まれる。韓国の支援がまったくない場合、WFPの最低所要量に基づく農村経済研究院の推定値には54万トン、統一部が出した所要量には199万トンの食糧が不足する。
韓国が例年と同程度となる約40万トンの食糧借款を再開する場合、可能供給量は510万トンに増え、農村経済研究院の所要量には近づきかろうじて需給バランスがとれると予想される。それでも統一部の基準では供給量はまだ100万トン足りない。
報告書は、韓国からの肥料支援と食糧借款が再開されなければ、北朝鮮の食糧不足量は最低所要量基準で50万~60万トン、正常な所要量基準では200万トン近くに達し、深刻な食糧不足状況に直面するとしている。さらに肥料支援まで行われなければ今秋の収穫量が例年より50万トン減り、翌年の食糧需給に悪影響を及ぼすとした。また、北朝鮮住民の3分の1程度は自力で食糧を確保できない弱者層で、外部からの支援が減少すればより大きなダメージを受けると指摘している。
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