格付け機関の米スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)政府信用格付け評価グループのビアース代表は6日、韓国の格付けのアウトルック(見通し)を「安定的」と評価し、今後2年間は格付けに変動の可能性がないとの見方を示した。S&Pは2000年以降、韓国政府が公共部門で純債権者の地位を維持し、弾力的な財政運用を行い、経済が躍動的な成長傾向を見せた点を評価した。一方で、北朝鮮問題などの地政学的リスクと南北統一による費用が生じる可能性、労使関係と中小企業支援など主要懸案に対する改革の鈍化を弱点として挙げた。

 これに関して、S&Pのアジア太平洋諸国の信用格付けを担当する小川隆平アナリストは、北朝鮮核問題に関する6カ国協議で大きな変化が見られなければ地政学的リスクの急激な改善は期待できず、大統領選挙などの政治日程を考慮すると、労使関係改善もすぐには難しいとの見解を示している。

 ビアース代表は合わせて、格付けが1997年の通貨危機以前の水準に戻れない理由について「韓国は通貨危機という、政府が予測し得なかった失敗を依然として引きずっている」と説明した。

 また、今年末に予定されている大統領選挙は格付けに大きな影響を与えないとしながらも、次期政権の経済改革課題がどのように出るかは興味深く見守るつもりだと述べた。国内不動産市場についても、政府の対策により最近不動産価格が下落しているものの、下落は制限的で、大きな影響はないとの見方を示している。


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