脱北者の犯罪被害率が国内全体の犯罪発生率に比べ非常に高いことが分かった。韓国刑事政策研究院のチャン・ジュンオ博士らが30日に発表した脱北者の犯罪被害実態研究に関する報告書で明らかになった。昨年7~9月に20歳以上の脱北者214人を対象に実施したアンケート調査を基にしている。

 調査結果によると、50人の脱北者が91件の詐欺、窃盗、強盗などの犯罪被害に遭っていた。1件の被害に巻き込まれた脱北者がほとんどだったが、8件以上の被害を受けたケースもあった。

 脱北者の犯罪被害率は、韓国の犯罪発生率4.3%(2005年の集計)の5倍に相当する23.4%に上った。犯罪の種類別では、詐欺が46件で最も多く、暴行や傷害が11件と続いた。詐欺被害率は21.5%で、韓国の詐欺被害率0.5%の43倍に達した。「北朝鮮にいる家族を連れてくる」とうそを言い、現金をだまし取った詐欺の場合、8件のうち6件は脱北者による犯罪だった。

 被害者を学歴別にみると、人民学校(小学校に相当)中退か卒業の場合は被害者がなかったのに対し、高等中学校(中学校)中退・卒業は14.1%、大学以上は42.4%で学歴が高いほど被害率も高かった。

 こうした経験のためか、韓国社会での他人に対する信頼度を調査したところ、回答者の63.9%が否定的な反応を示した。


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