アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に出席するためベトナムを訪問中の盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領は18日、日本の安倍晋三首相と会談し、北朝鮮の日本人拉致問題について、北朝鮮核問題の解決に影響を与えることがないようアプローチする必要があるとの見解を示した。

 政府当局者が明らかにしたところによると、盧大統領は、安倍首相が日本人拉致問題は日本にとって大変重要な問題であると強調したのに対し、こうした考えを伝えたという。盧大統領は「拉致問題は必ず解決されなければならない。韓国にも拉致問題が存在している」と述べ、必要な協力を行う意向を明らかにした。その上で、拉致問題解決は6カ国協議で核問題を解決していく過程で、時間的に調和させながら補完的に行うべきだとし、両問題が衝突する可能性について懸念を示した。

 北朝鮮核問題については、盧大統領は6カ国協議の実質的な進展に向け対話と圧迫の調和が必要だと指摘し、大局的な見地から問題を解決し具体的な成果を導くべきだと述べた。安倍首相もこれに同意を示し、日本も協力する用意をしていると述べた。両首脳は、6カ国協議再開後、早期に具体的な成果を出せるよう協力する必要があるとの考えで一致した。盧大統領はまた、「韓国は米国、日本、中国との協議を行うと同時に北朝鮮とも問題を解決しなければならない特殊な位置にいる。韓国の考えと立場に耳を傾けて欲しい」と述べた。これに対し安倍首相は、発言の意味をよく理解していると答えた。

 歴史問題に関して、盧大統領は、これ以上北東アジア地域の協力秩序の障害となることがないよう、安倍首相に指導力を発揮して欲しいと呼びかけた。安倍首相は、歴史共同研究委員会を早期に発足させ、両国間共通の理解を基に問題を解決していくよう努力すると述べた。このほか両首脳は、東海上の円満な海洋秩序の維持に向け相互協力することで同意し、両国外交当局の協議を継続する方針を固めた。また、来月フィリピン・セブ島で開催されるASEAN+3(韓日中)首脳会議を機に韓日中首脳会談を開き、さまざまな分野の協力案について話し合うことを決めた。


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