北朝鮮の核実験を受け国際社会による北朝鮮制裁が本格化するなか、北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記が江原道の元山牧場を視察したことが注目されている。

 軍部隊を相次ぎ視察したのに続き経済現場を訪れていることから、経済と安全保障を通じ北朝鮮体制を維持したい思惑があると分析されている。韓国からのコメ支援が中断されており、世界食糧計画(WFP)など国際機関を通じた食糧支援もままならない状況で、北朝鮮指導部が住民の動揺を抑えるためには食糧問題の解決が急務と判断した可能性がある。

 金総書記が元山牧場で「この牧場は、元山市民の食生活向上に重要だ」と述べ、種子改良や乳加工施設の近代化などを指示したのも、食糧難を打開することが重要との判断によるものとみられる。

 金総書記はミサイル発射後40日ぶりに活動を再開している。軍部隊の視察のほか、平安北道の亀城機械工場と亀城鶏工場、咸鏡南道の発電所建設現場なども訪問した。


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