香港政府によって検査を受けたカンナム1号の貨物室はがらんと空いていた。

香港海事処関係者は「カンナム1号は台湾高雄を経て中国の港を通って香港に入った」とし「香港で廃金属を積んで北朝鮮に帰る予定だったということだ」と述べた。空の船舶だったが国連安保理の対北決議以後、北朝鮮船舶に対する検問強化を要求してきた米国の対応は強硬だった。米国はカンナム1号が香港に入港する直前、誘導ミサイルを搭載したフリゲート艦を香港海域に派遣、武力衝突に備えた。

貨物室に何もなかったことをめぐり、専門家の見解は食い違っている。香港に廃金属を積むために空の船で入って来たということは常識的に理解しにくい。したがってが高雄で特定の貨物を積んで中国港に行った後、現地で他の船に移して積んだ可能性を推測できる。北朝鮮は武器や禁輸品の場合、こうした方法で処理してきた。また北朝鮮が米国の大量破壊兵器拡散防止構想(PSI)に反発するために意図的に空の船を送った可能性も排除することができない。

空の船なのか、軍事物資を積んだ船なのか確認する能力もないのに北朝鮮船舶を抑留して検査するとし、米国を攻撃するための戦略だったということだ。またカンナム1号に麻薬やタバコのような軽い脱税品が積まれていた可能性も推測できる。米国の監視網が総動員されていることを知ると、香港入港の前に海にすべて捨てて入港したという仮定だ。2003年5月、麻薬を積んだ北朝鮮船舶ポンス号がオーストラリアで拿捕されるなど、海上を通じた北朝鮮密輸事例がたびたび摘発されるという点がこのような仮定を裏付ける。

今年5月には日本の警察が北朝鮮産麻薬数百キロを積んで清津(チョンジン)港を離れ、鳥取近隣海で密売を試みた疑いを受けている北朝鮮貨物船トゥル峰1号に対して押収捜索をしている。


Copyright 2006(C)YONHAPNEWS. All rights reserved.
Copyright 2006(C)YONHAPNEWS. All rights reserved. 0