韓国銀行は14日、ウォン高により中長期的には設備投資が落ち込み輸出の伸びが抑制されるとみられるが、輸出企業の採算性悪化に伴う急激な輸出の減速を招く可能性は高くないとの見通しを示した。韓国銀行調査局国際貿易チームがまとめた為替変動と企業の採算性に及ぼす影響に関する報告書で明らかになった。

報告書は為替相場と企業の採算性との関係が希薄になった原因として、▼国産製品の品質競争力が向上し輸出製品の価額弾力性が低下したこと▼輸出決済通貨が複数の通貨に拡大したこと▼素材・部品の輸入依存度が高まりウォン高によるコスト削減効果が拡大したこと▼企業のコスト構造の改善――などを挙げた。また、関係の希薄化は、一時的な現象というよりは流れとみられると分析した。

さらに、競争力や収益性が不安定な中小輸出企業がウォン高に伴う採算性悪化に苦しんでいるが、企業のコスト削減に向けた取り組みなどを考慮すると、急激な輸出減速にはつながらないとの見方を示した。

報告書は、「最近のように資本が自由に移動し経済統合が進んでいる状況で、輸出の増加と採算性確保のために一定水準の為替相場に固執することは事実上不可能だ」としたうえで、ウォン高によるマイナス影響を最小限にとどめるための努力が不可欠と強調した。


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