サムスン電子半導体総括の黄昌奎(ファン・チャンギュ)社長は11日、ソウル市内のホテルで記者会見を行い、新概念のチャージ・トラップ・フラッシュ(CTF)技術の開発と、40ナノ32ギガNANDフラッシュの実用化に成功したと発表した。

 CTF技術とは、1971年に初めて不揮発性メモリが開発されて以来使用されてきたフローティングゲート技術の限界を克服した革新的技術。サムスン電子は2001年から開発に取り組んできた。黄社長は、5年に及ぶCTF技術研究活動を通じ155の基幹特許と改良特許を確保し、業界初の実用化に成功したと説明した。サムスン独自の技術で半導体技術をリードし、競合企業との技術格差を広げたと述べた。

 サムスン電子はこの技術により、半導体工程数の縮小による製造コスト削減、20ナノ256ギガの拡大利用、半導体産業の2010年テラ(ギガの1000倍)時代に向けての基盤作り、10年間でNANDフラッシュ市場250兆ウォン創出、などが期待できるとしている。昨年50ナノ16ギガのNANDフラッシュを開発したのに続く今回の開発で、サムスン電子は「半導体素子に集積されるトランジスタの数は18か月で倍増する」というムーアの法則を破り、黄社長が発表したメモリ新成長論を7年連続で立証した上、6年連続で最先端ナノ技術を世界に先駆け開発したことになる。

 このNANDフラッシュ16個を搭載した64ギガバイトのメモリカードを製作すれば、高解像度写真3万6000枚、映画40本、日刊紙400年分の情報を保存することができる。このカード10枚で国会図書館の蔵書220万冊分の情報を取り込める。サムスン電子は40ナノ技術が本格的に導入される2008年以降、5年間で約500億ドル以上のNANDフラッシュ市場が形成されるものと見込んでいる。今後はこれをモバイルコンピュータはもちろん、ハードディスクを使用するデジタル製品にまで拡大利用していく方針だ。

 さらにサムスン電子は、コードとデータ保存用に使用されるフラッシュ系メモリの長所をすべて備えた次世代メモリ製品で、世界最大容量となる512メガPRAMも発表した。これはデータ保存時に既存のデータを削除することなく直接書き込めるもので、プログラム速度が既存フラッシュの30倍、耐久性も最大10倍以上と、モバイル機器の性能と利便性を向上させた。NORフラッシュメモリと比較すると工程を30%カットできるため、コスト効率の面でも競争力がある。2008年からこの製品を事業化する計画だ。

 このほかにも、高速ハイブリッドドライブの中核機能を1つのシステム・オン・チップ(SoC)に内蔵した世界初の新概念ハイブリッドドライブ用SoCを開発、11月から量産を開始するとしている。

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