がん抑制たんぱく質のp53は、生命科学分野で最も活発に研究されているたんぱく質の1つ。がん患者の半数はp53に異常が発生したため発病することが分かっている。リン酸化、アセチル基化などの修飾を受ける。
論文によると、ブドウ糖から作られる単糖のO-結合型N-アセチルグルコサミン(O-GlcNac)は糖尿病の発病原因や合併症と密接な関係があり、神経系の分化や認知症の発病にも関係があるとされてきた。1996年にはO-GlcNacがp53を修飾しているとの報告が出されているが、これまで正確な機能や修飾部位などについては明らかにされていなかった。研究チームは、国内独自の技術によるプロテオミクス研究を通じ、p53のO-GlcNac修飾部位を究明し、その機能を解明したと説明した。
趙教授は、p53のO-GlcNac修飾が糖尿合併症に関連していると思われるが、確実な解明は今後さらに研究が必要だと述べた。今後はO-GlcNacの修飾を受けたp53たんぱく質の観点から研究を進めていくとしている。
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