北朝鮮のミサイル発射以降、ぎくしゃくしている中朝関係の改善や北朝鮮の挑発防止を目的に、中国が金正日(キム・ジョンイル)総書記の訪中を積極的に進めていることがわかった。今週初めに平壌に赴任する劉暁明・北朝鮮大使が、胡錦涛国家主席からの正式招請の意思を北朝鮮に伝える見通しだ。
 韓中の外交消息筋によると、中国の指導部は先月末の内部討論で、北朝鮮のミサイル発射と中国が国連の北朝鮮制裁決議案に賛成したことで冷え込んでいる中朝関係の改善に乗り出すことを決めた。ソウルの外交消息筋は、「中国は関係修復には両国首脳間の会談が不可欠とみて、金総書記の訪中を進めている」と説明した。内部討論では、北朝鮮との関係改善に否定的な姿勢を示す立場を示す動きも一部であったが、北朝鮮の核実験準備説が浮上しているなかで状況がさらに悪化すれば取り返しのつかない結果も招きかねないとして、改めて説得に乗り出すべきとの声が強かったという。

 韓国政府関係者は、金総書記が胡主席の招きに応じるかは今のところ不透明だが、北朝鮮に対し実質的な影響力を持つ中国の積極的な外交努力に北朝鮮がそっぽを向き続けるのも難しいとの見方を示した。韓中の外交消息筋は、金総書記が胡主席の招きも拒んだ場合は両国関係がさらに冷え込むと予想されるだけに、金総書記の訪中が実現する可能性が高いと見込む。ただ、ミサイル発射以降、強硬姿勢を崩していない北朝鮮内部の雰囲気を踏まえると、米国が最小限の譲歩もしていない状況で金総書記が中国を訪れれば国際社会の圧力に屈するものと北朝鮮側が感じることも考えられ、中国当局が北朝鮮に対する援助を増やすなど「手土産」を渡す可能性もあると分析している。

 中国の消息筋は、訪中は北朝鮮の創建記念日(建国記念日に相当)の9日前後になる可能性が高く、遅くとも6カ国協議での共同声明1周年にあたる19日以前には実現するとの見方を示した。

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