面会を終え、崔桂月さんらが乗るバスに手を振る金英男さん一家=28日、金剛山(聯合)
面会を終え、崔桂月さんらが乗るバスに手を振る金英男さん一家=28日、金剛山(聯合)
1978年に当時17歳で北朝鮮に拉致された金英男(キム・ヨンナム)さんが、40代の中年男性となって姿を現した。金剛山で行われた南北離散家族面会行事で、母親の崔桂月(チェ・ゲウォル)さん、姉の英子(ヨンジャ)さんと28年ぶりに再会を果たした金英男さんは、頭髪がやや薄くなったががっしりとした体つきで、黒いスーツ姿で面会場に姿を現した。幼い頃の面影はあまり見られなかった。
 英男さんが公式の場に姿を見せたのはこれが初めてのこと。2004年11月に日本代表団が訪朝した際には、日本人拉致被害者、横田めぐみさんの遺骨の一部を渡したが、マスコミには姿を公開しなかった。

 英男さんはこの日の再会で、自身の拉致経緯、横田めぐみさんに関する情報をはじめ敏感な問題については一切言及せず、北朝鮮での28年間の暮らしについても具体的には触れなかった。ただ、「それなりに平穏に、幸せに暮らしています。苦労はしていません」と話した。実際に面会場での英男さんの姿からは、窮乏している様子などは見受けられず、同席した97年に再婚したというパク・チュンファさん、長男のチョルボンさん、横田めぐみさんとの間に生まれた可能性が高いとされるヘギョンさんの顔も明るかった。

 英男さんはこれまで、1978年8月に拉致されて以来北朝鮮では「キム・ヨンス」という名を名乗り、金日成政治軍事大学を卒業後、対韓国工作機関の北朝鮮労働党対外情報調査部に勤務していると伝えられている。

 英男さんは幼い頃の小さな出来事まではっきりと記憶していたという。これまでできなかった親孝行をしたいとの思いからか、「お母さんを幸せにしてあげなければ」と何度も繰り返した。英子さんは団体面会の後、「弟の表情は明るく、思っていたよりも気楽に話をしてくれた。28年前の状況については触れずに、ただ子どもの頃のことだけを話した」と伝えた。

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