黄禹錫(ファン・ウソク)教授チームの卵子採取と関連した倫理問題を調査している国家生命倫理審議委員会が、黄教授チームに摘出された卵巣を提供していた漢陽大学病院に対し調査に乗り出していることが確認された。保健福祉部の生命倫理チーム関係者が26日に明らかにした。保健福祉部は疾病管理本部生命科学研究管理チームに全権を委任し調査を進めている。
 漢陽大病院機関倫理委員会は、黄教授チームに卵子を提供するなど、一連の胚性幹細胞(ES細胞)研究に深く関与していた。ソウル大調査委員会の調査では、漢陽大病院産婦人科は、昨年4月から11月まで9人の女性から121個の卵子を採取し、黄教授チームに提供していた。保健福祉部によると、このほかにも2002年から2003年にかけ、100人を超える患者の卵巣組織を黄教授チームに提供していた。漢陽大病院産婦人科の黄楨恵(ファン・ジョンヘ)教授は、ねつ造が明らかになった2004年と2005年のサイエンス誌の論文で共著者として名前が載せられている。

 成熟した卵子は確保が困難だが、卵巣内には少なくとも10個の未成熟卵子があることから、卵巣から未成熟卵子を取り出すことで実験用の卵子採取は容易になる。黄楨恵教授は子宮筋腫患者などから卵巣を摘出して黄禹錫教授に提供していた。産婦人科では子宮筋腫などの患者から卵巣を摘出するケースがあるが、患者が若い場合には妊娠などを考慮しできるだけ温存するのが常識とされる。このため、黄楨恵教授が不必要に卵巣を摘出したり、患者への説明や同意を得ていないのではないかとの疑惑も提起されている。

 保健福祉部では、卵巣を提供した患者の医療記録と同意書の確認作業を進め、必要な場合には患者との対面調査を行う方針だ。



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