釜山席は茶道具を韓国のものでそろえ、薄茶も会員の若手陶芸家が焼いた茶碗でふるまわれた。ソウル席は畳をしつらえ亭主の手前だけでなく客の作法も実演するなど、異なる雰囲気の茶席を準備した。訪問客は心構えや作法、道具の説明に熱心に耳を傾け、亭主が薄茶を点てる手元を真剣な面持ちで見つめたり写真に撮ったりと、並々ならぬ関心を示した。席入り前には作法に関する映像や、裏千家の茶室「今日庵」と海外活動の様子を紹介するパネルを鑑賞できるようにしたほか、訪問者が実際に薄茶を点てたり茶の葉を石臼で引く体験コーナーも設けられた。
裏千家淡交会総本部・国際部の米咲郁久部長によると、裏千家が韓国で茶会を始めてから十数年経つが、ここ数年、韓国人の茶道に対する関心が急速に高まっていることを実感できるという。「以前は日本に対する反感もあったかもしれないが、最近では特に若い人たちに日本文化に対するアレルギーがなくなってきたようだ。着物などを直接着てみたがる人も多い」と話す。また、茶はもともと中国から伝わり、茶道具も千利休が茶道を大成した当時、朝鮮から渡ってきたものを使い、日本の道具はそれらを真似し工夫を凝らしてきたと説明し、「道具や茶、茶道を媒介に互いの国民が直接触れ合い体験することで、相互の理解が深まればいい」との期待を述べた。中央大学ではこのほど、半年間の茶道講座も開設された。講義や実技を通しまずは接することから、相互理解のとっかかりを作りたい考えだ。
茶会に先立ち、25日には第2回東アジア茶文化シンポジウムが裏千家と中央大学韓日文化研究院・日本研究所の主催で、26日には「東アジアの平和と文化」をテーマにしたパネルディスカッションが裏千家と高麗大学日本学研究センターの主催でそれぞれ開かれた。茶文化シンポジウムでは、中央大学から裏千家の千玄室大宗匠に名誉文学博士号が授与されている。
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