国内の科学者らがたんぱく質の発現や制御に関与するとされるDNAの新たな構造を究明し、疾病と関連するたんぱく質を調節するための新薬の開発に向け新たな道を開いた。
 成均館大学・構造生物学研究室の河聖哲(ハ・ソンチョル)博士と同大医学部の金璟圭(キム・キョンギュ)教授、中央大学医学部の金洋均(キム・ヤンギュン)教授の研究チームは、右方向によじれたB型DNAと左方向のZ型DNAが隣り合う接合部位の3次元立体構造を、世界で初めて原子レベルで究明したと明らかにした。今回の研究論文は20日、世界的科学誌「ネイチャー」でメーン論文として掲載された。

 河博士チームの研究は、生体内で一般的な形態のB型DNAとほかの新たなDNAの構造を明らかにしたことにより、こうした特殊構造のDNAに結合するたんぱく質を利用した新薬開発の可能性を示したとして評価されている。Z型DNAはがん誘発の遺伝子(c‐myc)の発現を調節し、天然痘ウイルスをはじめとするさまざまな疾病の進行過程で関連遺伝子を調節するという。今回明らかになったB型DNAとZ型DNAの接合部位の構造をもとに、その形成を調整したり、Z型DNAや接合部位に結合するたんぱく質を阻害する方法を開発すれば、関連する疾病の治療が可能になると期待される。

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