韓国・世宗大学のパク・ユハ教授の著書「帝国の慰安婦」の一部内容を削除して出版するようにという裁判所の判決に対し、「○」という記号で処理した“削除版”を出版したことを明らかにした。(提供:news1)
韓国・世宗大学のパク・ユハ教授の著書「帝国の慰安婦」の一部内容を削除して出版するようにという裁判所の判決に対し、「○」という記号で処理した“削除版”を出版したことを明らかにした。(提供:news1)
韓国の世宗(セジョン)大学日本語日本文学科の朴裕河(パク・ユハ)教授の著書「帝国の慰安婦―植民地支配と記憶の闘争」(以下「帝国の慰安婦」)の一部内容を削除して出版するようにという裁判所の判決に対し、パク教授は削除を要求された部分を「○○○」という記号で処理した“削除版”を出版したことを明らかにした。

 パク教授が著書の中で慰安婦について「自発的に行った売春婦」、「日本の従軍慰安婦は日本軍の士気を高めるために動員され、愛国という存在として日本軍に対して協力者もしくは同士のような関係だった」などと叙述した部分に対して、先月、裁判所は「このような表現は元慰安婦の社会的価値もしくは評価を重大に阻害することである」とし、「これによって元慰安婦の名誉が侵害された」と判断した。

 それを受け今月6日、パク教授は自身のFacebookに「削除版は要求された部分を○○○処理して出すことになりました。名誉を毀損する意図はなく、『自発的な売春婦』という言葉は私が言ったものではありません。いつかは誤解が解けると信じながら、一旦は原告側の要請を受け入れることにしました」とコメントを掲載した。

 しかし、パク教授は「一部分を削除しなければ本を出版できないという要求は、他でもなく日本統治時代の国家が、体制に反対する人たちを思想検証しながら強要した手段です。私を親日派と呼ぶ彼らが、そのような国家権力によって『日本統治時代の残滓』を21世紀に呼び出した行為に対して深い遺憾を示しながら、削除版を出すことにしたことをお知らせします」と続けた。

 「帝国の慰安婦」の出版社である「根と葉」のチョン・ジョンジュ代表も「削除を要求した裁判所の決定に同意できず、異議申請を通じて本格的に戦うものだが、一旦、裁判所の決定に従って削除したものだ」と述べた。チョン代表は「内容を修正することはできず、○○○と処理して出すことにして、読者が内容を(これを含めた全体的に)判断してほしい」とした。

 またパク教授は「法的な解決が長い時間かかったので、これまで本がないよりはこのような状態でもあるほうがいいと判断した」とし、「○で処理したのが34か所あるが、読者が読んでも内容を理解するのに難しいほどではない」と説明した。

 またパク教授は仮処分申請が出た後、自身の立場に同意する人たちも多くなったとし、東アジアの平和問題などに対して関心を拡散させるために、しばらくしてから関連ホームーページも作るつもりだと述べた。

 先日、ソウル東部地裁は、「パク・ユハ教授の本が事実関係を歪曲し、名誉を毀損された」とし、元慰安婦9名がパク教授と出版社の代表を相手に出版などの禁止仮処分申請を出したことについて、先月17日に「本の内容の34か所を削除しなければ、出版・販売・配布・公告などをすることはできない」と決定した。


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