「BTS（防弾少年団）」に向けたファン心を悪用…約6億ウォンのチケット詐欺師に懲役9年求刑

韓国のグループ「BTS（防弾少年団）」の公演チケットなどを売るとだまし、数億ウォンをだまし取った20代男性に検察が懲役9年を求刑した。

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30日、あるメディアによると、先月テグ（大邱）地裁刑事1単独のペ・グァンジン部長判事の審理で開かれた結審公判で、テグ地裁は詐欺などの疑いで起訴された20代男性のキム某氏に対して懲役9年を求刑した。

キム氏は2021年2月から昨年4月まで、中古取引サイトやSNSなどを通じて、音楽公演やミュージカルなど売り切れたチケットの販売文を掲載した後、金を受け取り行方をくらまし、約600人から約6億7000万ウォン（約7100万円）をだまし取った疑いを受けた。

これは観たかった公演が売り切れにより観ることができなくなった被害者たちの切実な心理を利用した方式だという。チケットが売り切れた後、「定価または1万ウォン程度上乗せした価格でチケットを売る」と購買心理を刺激したのだ。チケットの購買内訳、携帯電話の番号、住民登録証などで被害者たちをだまし、キム氏は被害者たちが金を送れば「入金者がとても多いので入金者名義と公演名を一緒に書いてまた送れ」などという手法で、被害者1人から何度も金を追加で引き出した。

特に犯行過程で被害者たちを嘲弄（ちょうろう）したりもした。キム氏は払い戻しを要求する被害者に264ウォン（約28円）を送金したかと思えば、IP記録追跡について「どうせ海外IPだから情けない悪ふざけをするな」という嘲笑交じりのメッセージを残した。

結局キム氏は捜査機関に捕まった。これに対して一部の被害者は民事訴訟で勝訴し、被害金額を返してもらえるという法的根拠を確保したが、被害者の中の大多数はまだ実質的な補償を受け取れていないと伝えられた。

キム氏は2020年にもマスクを売ると700万ウォン（約74万円）台の詐欺行為を犯した前歴がある。このように切実な気持ちとファンの心を悪用した詐欺犯罪に対して強力な処罰を追及する声が出ている。