左から女優アン・ソヒョン、ポン・ジュノ監督
左から女優アン・ソヒョン、ポン・ジュノ監督
6月22日(木)、東京・六本木、ザ ・リッツ・カールトン東京にて、Netflixオリジナル映画「オクジャ/okja」の記者会見が行われ、本作の共同脚本とプロデューサーでもあるポン・ジュノ監督と、主演のアン・ソヒョンが登壇した。

韓国映画「オクジャ(okja)」のキャスト、公開日、あらすじ

 映画「オクジャ」はアン・ソヒョン演じるミジャという一人の少女が、危険を冒しながらも、巨大な多国籍企業に追われる親友の“オクジャ”という動物を守る姿を描いた作品であり、先日フランスで開催された第 70 回カンヌ国際映画祭長編コンペティション部門へノミネートされたことでも注目を集めた。

 ジャケットスタイルのポン・ジュノ監督、チェックのトップスに黒スキニーを合わせたアン・ソヒョンか登壇すると、「本日はお越しいただきありがとうございます。夜には試写会もあり、日本の映画人のみなさまにお会いできることを楽しみにしています」とポン・ジュノ監督。アン・ソヒョンは「はじめまして、ミジャ役を演じたアン・ソヒョンです。来てくださってありがとうございます。これからも『オクジャ』に関心を持ってくれたらと思います」とあいさつし、可愛らしい笑顔を見せた。


<B>―映画「オクジャ」はどのような想いで製作しました?</b> 
ポン・ジュノ監督:大きな動物と、可愛らしい少女を、愛を込めて作りたいと思いました。私としては初めてのラブストーリーとなります。動物と少女の愛を妨げる怖い世の中も映画の中で登場しますが、ミジャとオクジャのラブストーリーを作りたいという想いで映画を準備しました。

<B>―アン・ソヒョンさんは、どんな想いで演じましたか?</b>
アン・ソヒョン:ミジャにとってオクジャは、両親のようであり、世間知らずの妹のような存在。家族だから当然助けるんだという気持ちで演じました。

<B>―記憶に残っているエピソードはありますか?</b>
アン・ソヒョン:渓谷に行ってミジャが魚が食べたいと言い、オクジャが水の中に落ちるというシーンがあったのですが、水の波動を作るために、水鉄砲を使って撮影しました。水鉄砲を20回以上浴びて、どんな魚も気絶するのではないかと思うような中、撮影しました。このシーンが記憶に残っています。
ポン・ジュノ監督:(日本語で)本当にすみません。監督は悪魔です(笑)

<B>―2100人以上の候補からアン・ソヒョンを選んだ理由は?</b>
ポン・ジュノ監督:ソヒョンは2013年の「モンスター」という作品で、一般的な子役俳優とは違う印象的な演技を見せていて、イム・サンスの「ハウスメイド」に出演していたり、経験もあり、オーディション前に事前に会っていたこともありました。他の候補と同じく公平にチェックをしていたが、私とプロデューサー、ティルダ・スウィントンさんは、アン・ソヒョンに対する確信を止めることができませんでした。まさにこの子だという確信を保ち続けていたんです。

<B>―アン・ソヒョンさんは選ばれた時、どんな気持ちでしたか?</b>
アン・ソヒョン:オーディションを通して当選したというより、自然とキャスティングが決まったという感じでした。公開されてから、気持ちがじわじわ来るのではないかと思います。
ポン・ジュノ監督:面接をするようなオーディションのやりかたではなく、事務所に一度遊びにおいでと声をかけて、オクジャの模型を見せたり、事務所の近くでお菓子を一緒に食べたり、自然と会話をしながら、いつの間にかキャスティングされたような状況だったと思います。緊張感を与えて意識させることはなく、リラックスした雰囲気の中でやりたいと考えていました。他の話しをしながら過ごしていたが、彼女はカメラが回ると自身の経験によって、ものすごい集中力を発揮する女優でした。

<B>―映画の定義について議論もあったが、監督が考える“映画”とは?</b>
ポン・ジュノ監督:作り手として映画の一般論を語ることは難しいと感じます。映画を見るには様々な方法があるが、大きなスクリーンを通して見るのが1番美しい形だというのは変わりません。ですがテクノロジーの発展によって家で見ることも可能になり、デジタルストリーミングで見ることも1つの方法だと思います。60年代にテレビが出た時に映画が終わった考える人もいたが、実際はそんなことはありませんでした。今はテレビと映画が共存しているように、デジタルストリーミングも映画と共存していくのだと思います。規定や規則については、映画産業に関わっている方々がこれから整理していくべきところではないかと考えています。

<B>―多くのクリエイターがNetflixを選んで作品作りをする理由は何だと思いますか?</b>
ポン・ジュノ監督:アーティースコッチ監督と会って話す機会があったが、100%創作の自由が与えられて、クリエイティブがコントロールできる環境があると思います。既存のスタジオではなかなかできないことがあると思うが、創作者としての渇望が、Netflixが提供する製作の条件に魅力があるのではないかとおもいます。劇場公開や映画祭での上映も並行して行え、柔軟な対応であることも、多くの監督が関心を持つのだと思います。

<B>―自然の表現を宮崎駿監督の作品に影響を受けたと聞いたが、主人公への影響は?</b>
ポン・ジュノ監督:「未来少年コナン」の女の子バージョンだと考えたことがあります。ずっと走り回っていて止めることができないところや、島で暮らしているところなど、共通点があると思います。「ベイブ」のブタが都市へ行くというところや、押井守監督の「イノセンス」のパレードのシーンも参考にしたいと考え、様々な映画、監督からインスピレーションを受けました。

<B>―海外でイベントに参加する機会がありましたが、海外からオファーがきたらやってみたいですか?</b>
アン・ソヒョン:当然です。もちろん海外の作品にも参加したいと思っています。私の演技を見て、誰か1人でも私の演技を必要だと考えてくれる監督がいらっしゃるなら、いつでも参加する準備は出来ています。オファーをいただく中で、その中にポン・ジュノ監督の作品があったら、最優先で考えたいと思います。
ポン・ジュノ監督:一生懸命準備しますね。

<B>―作品の中には扱いづらいテーマが込まれているが、どのような問題意識を持っていたか。またアメリカとの合作にした意味は?</b>
ポン・ジュノ監督:最初のアイディアは動物から来ています。巨大なブタあるいはカバが、どうしてそんなに大きいのかという意味を考えてみたとき、食品に関しても遺伝子組み換えのものはサイズが大きいが、そこには商品性の拡大やインダストリーの考えが関わっているのだと考えました。愛らしい巨大な動物の背景には、巨大な多国籍企業という存在があるという設定が、強力でドラマティックなストーリーとして引き寄せられるモチーフでした。ストーリーができていく流れで政治的な風刺や社会的メッセージが込めるようになりました。最初からアメリカで撮ろうとしていたのではなく、ストーリーの展開にそって、韓国とアメリカのロケーションが合わさっていき、そのような状況がつくられていきました。

<B>―日本でやってみたいことはありますか?日本の好きな作品などはありますか?</b>
アン・ソヒョン:私は日本の映画やアニメ、歌が大好きです。「ハウルの動く城」、「千と千尋の神隠し」、「となりのトトロ」なども大好きです何回も見ていますし、「君の名は。」や「崖の上のポニョ」などもよく見ています。日本で女優として撮影してみたいと思っています。他の国で、他のキャラクターを演じるという経験ができればと思います。日本の歌も好きなのですが、ボーカロイドなどが好きです。携帯にも韓国の曲はなく、日本の曲ばかりです(笑)

<B>―ストリーミング作品と劇場公開のものの違いはありましたか?</b>
ポン・ジュノ監督:ストリーミングだから変えるということはなく、今までやってきた方式でやりました。作り手の立場として言えば、公開後にテレビなどで公開された時、シーンが途切れCMが入ったり、注意書きが足された時など、とても大きな傷を受けます。その点、Netflixでは創作者の立場を尊重してくれ、完ぺきな状態でデータを保存するようにしてくれているというのが、とても良い点ではないかと思います。


 作品についてはもちろん、撮影現場での様子やポン・ジュノ監督の映画に対する想い、アン・ソヒョンの素顔の一面など、多くのことが語られた記者会見となった。



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