日本と韓国には、日韓間ではなく世界規模で見たらほとんど区別がつかないぐらい、似通った点がたくさんあります。よく耳にするのは、欧米に留学すると、必ずと言ってよいほど日本人と韓国人が親しくなるそうです。お互いに親近感が持てる点が多々あるからです。箸を使うことやお米を主食とする食事ばかりでなく、六・三・三・四制の教育制度、儒教をベースにした礼節など枚挙に暇がありません。
日本人や韓国人は欧米人から見たら顔形、体型や習慣、文化など区別がつかないと言われていますが、日韓という観点から見るとやはり微妙に違い、時にはこの違いがお互いの感情を逆なでしたりします。
欧米人とは顔形、文化など明らかに違うので最初から「違う」と割り切って考えますが、日韓の間では似ているが故に安心（？）して、自分の考えや慣習のまま相手に対します。これが落とし穴になり感情をこじらせます。
あたかも道を歩いているときに大きな窪み（明らかにわかる違い）があれば避けて通りますが、小さな窪み（小さな違い）には気づかず、つまずくと自分を責めるよりも「誰がこんなところに穴を掘ったんだ！」と八つ当たりします。安心しているときに（小さなことでも）思わぬことに出くわせば動揺し腹が立つものです。
家族でも普段、心を許し互いに依存しあうものですが、諍いが起こると信じ合っていただけに感情が増幅し骨肉の争いになります。近親憎悪とでも申しますか。
このような事態にならないために、お互いの違いを認識して誤解の芽を潰していきたいと思います。
文＝権 鎔大（ゴン ヨンデ）
出典＝『あなたは本当に「韓国」を知っている？』（著者/権鎔大 発行/駿河台出版社）
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