<Wコラム>日本が結ぶ縁、あなたは本当に「韓国」を知っている?(参考画像/画像提供:news1)
<Wコラム>日本が結ぶ縁、あなたは本当に「韓国」を知っている?(参考画像/画像提供:news1)
歴史ある古都に就航のときは、省(日本の県にあたる)の公用車でVIPを送迎するのも有料で、ホテルの手配、就航パーティーも一人あたりいくらという手数料を請求されました。就航記念パーティーは折半でなく全額こちらの負担で、省で提供される全てのことにお金がかかりました。

 「国際便が就航すれば観光客が増え省も潤うのに、何でもかんでもお金を要求されるのは道理に合わない」と是正を促しましたが、何回交渉してもらちがあきません。就航まで時間がないのに、中国側は悠然と構えて応じません。「提示した手数料を払わなければ協力しない」と、席を蹴って立つ省の幹部を追いかけ彼の部屋に押しかけましたが、なかなかまとまりませんでした。ですが、ふと彼の本棚を見ると日本の本がたくさん並んでいました。

 話題を変え、日本語が読めるのかと日本語で聞いて見ますと、以前名古屋で四年間勉強したことがあると日本語で返事がきました。その口調は交渉していたときの横柄な中国語でなくやさしい日本語で、その身振りは紳士的ですらありました。私は彼に通訳をつけずサシで話そうと提案し、事務所ではなくホテルで二人だけで交渉しました。もちろん日本語で。彼も日本で生活したことがあったので、日本の各県の対応を話すと今までの交渉とは打って変わった態度で話が進み、彼は「日本と違って自分の部署は予算が少ないので、外国の航空会社や商社などから手数料をもらい運営せざるを得ない」と本音を覗かせました。

 当時は経済的に豊かでなかったので、与えられた状況の中でそれぞれの部署が民間から経費を自己調達したりしてやりくりしていたそうです。

 私は彼の立場を思い、要求額の二十%で妥協しました。それは飛行機が飛んでくる十九時間前で、それからは嘘のように仕事がはかどり全ての行事が完璧に行われました。過去にアメリカ大統領などの外国の要人のハンドリングをしてきただけに仕事は確かでした。

 さすがに今は中国も経済的に発展しているので、私たちのような苦労はないと思いますが……。


文=権 鎔大(ゴン ヨンデ)
出典=『あなたは本当に「韓国」を知っている?』(著者/権鎔大 発行/駿河台出版社)

Copyrights(C)wowkorea.jp 0