ソン・スンホン(提供:OSEN)
ソン・スンホン(提供:OSEN)
2008年8月21日。ドラマ『エデンの東』の制作発表会が行なわれた。MBC創立47周年の記念作品。まさに、MBCが社運をかけた大作で、香港などの海外ロケも行ない、総額250億ウォンという制作費を投じている。

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■タフな性格が共通点

『エデンの東』の出演陣も錚々たる顔ぶれで、ヨン・ジョンフン、パク・ヘジンという人気俳優が集まる中で、ひときわ輝いていたのが主役のソン・スンホンだった。

 「内容がいいし、すばらしい俳優が大勢出演します。私も一生懸命に演じます」

 ソン・スンホンが演じたのは貧しい炭鉱村に生まれたイ・ドンチョル。炭鉱労組の闘士だった父が理不尽に殺されたあと、復讐を誓って過酷な運命に挑んでいく。時代背景は1960年代から1990年代にかけての激動期。ソン・スンホンはイ・ドンチョルになりきって、激動の時代を駆け抜けていった。

 特に、家族や愛する女性のためならどんな苦労も厭わないというタフな性格が、ソン・スンホンとイ・ドンチョルに共通している点だ。

 そういう意味では、ソン・スンホンは等身大の自分を演じている場面も多かった。その際にも、軍隊での過酷な日々が役立っている。

■MBC演技大賞を受賞

「昔は願っていても、男らしい役ができなかった。けれど、除隊してからは、強い男をイメージさせる配役が来るようになりました」

 ソン・スンホンはそう語った。さらに、自らを戒めた。

「韓流スターが出れば再び韓流ブームを狙った作品と思われがちですが、この『エデンの東』はまったく違う作品です」

 そのことを強調していたソン・スンホン。浮ついた気持ちは毛頭ない。

 視聴率も順調に伸び、第6話で20%を突破し、以後は30%近い数字をあげている。ドラマ制作の現場は、誰もが熱くなりすぎて出演陣と制作陣の間で不協和音も起こったが、ソン・スンホンは集中力を途切れさせず、最後まで自らの役に徹しきった。

 その演技が評価されて、2008年MBC演技大賞において、ソン・スンホンはキム・ミョンミンと一緒に大賞という栄誉を受けた。

 その日の晴れがましさは、ソン・スンホンにとって奇跡に近かった。一度は兵役問題で挫折して、俳優をあきらめなければならない苦境に立たされた彼。そこから自分を見つめ直し、俳優として最も難しいことをやり遂げたのだ。

■俳優として初心に戻った!

 ソン・スンホンはファンの期待を裏切ることなく、『エデンの東』でまったく新しいイメージを構築した。

 それこそが希有なほどに輝く俳優力の賜物だった。

 以後のソン・スンホンは、ドラマ『マイ・プリンセス』(2011年)、ドラマ『Dr.JIN』(2012年)、ドラマ『男が愛する時』(2013年)、映画『情愛中毒』に主演し、魅力的な演技を見せている。

 そして、昨年の秋からは『師任堂(サイムダン)、色の日記』の撮影に集中していたのである。

 イ・ヨンエを相手にソン・スンホンがどんな演技を見せるのか。

「過去にたくさんの作品に出ましたが、イ・ヨンエ先輩と初めて撮影をした日は、デビューしたときを思い出しました。それほど緊張したのです」

 こう語るソン・スンホン。言葉を変えれば、「初心に戻った」ということだろう。

 今度の『師任堂(サイムダン)、色の日記』がソン・スンホンにとっても、記念すべき大作になるかもしれない。大いに注目したい。

文=康 熙奉(カン ヒボン)
(ロコレ提供)

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