徐々に共同生活に慣れていく
徐々に共同生活に慣れていく
■手紙を受け取ることができる
新兵訓練の期間中、新兵たちはどのように過ごすのだろうか。具体的に見てみよう。

 新兵たちは入隊するときに、携帯電話を持参できない。つまり、自ら外部に連絡する手段を持たないのだ。

 ただし、新兵訓練中に家族や友人から手紙がきた場合は、それを受けとることができる。今は、電子メールで手紙を受け取ることも可能だ。

 電子メールで届いた手紙は、陸軍訓練所のほうで紙にプリントアウトして該当する新兵に配る。ただし、陸軍訓練所では毎日1万通以上の電子メールがくる。かなり文字量が多いと作業が大変なため、1通あたり800字以内という決まりを設けている。

 このように手紙を受け取ることはできるが、新兵は小包を受け取ることはできない。ただし、治療目的の医薬品や眼鏡などは例外となる。

 次に電話について説明しよう。基本的に新兵の訓練期間に、外部に電話をすることはできない。しかし、個人に特別な理由が発生したときには、小隊長の承認を受けて通話が可能となる。

 また、陸軍訓練所では兵士たちの意識を高揚させるために、訓練で特に優秀な成績を挙げた者に、褒美として公衆電話で通話する権利を与えることもある。

■4週間訓練の中身は?
 訓練兵の様子は、2回にわけて撮影された映像で公開される。両親たちはそれを通して、訓練所で息子の様子がどうなっているかを確認することができる。

 訓練所で新兵たちが寝泊まりするところは「生活館」と呼ばれているが、そこでは板間に薄い布団を敷いて雑魚寝という形で共同生活をする。

 家庭で甘やかされて、個室のベッドで寝ていた人にとっては大変な苦痛だろう。軍隊に入ったら家庭とはまったく違うんだ、と真っ先に思い知らされるのが、宿舎にある大部屋での雑魚寝なのである。

 最後に、公益勤務や義務警察に就く人たちが受ける4週間の新兵訓練を見てみよう。通常の陸軍新兵の訓練は5週間だが、公益勤務や義務警察に行く人は4週間に短縮されている。

 まず、1日目に入所式を行ない、次の2日間で支給品をもらって身体検査を行ない、銃を受けとって入隊式に移る。この3日間の予定が終わると2週目に入り、精神教育と制式訓練を受ける。

 そして3週目になると、小銃の操作や管理、射撃予備訓練、警戒訓練、救急法、化学ガス室、手榴弾の扱いを学んでいく。さらに、野営訓練を行なったうえで、最後に20キログラムの装備を背負って20キロメートルの行軍をする。

 そうした訓練を終えれば、完全に終了式になる。そして、それぞれの公益勤務や義務警察に配属されていく。


文=康 熙奉(カン ヒボン)
(ロコレ提供)
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