【個別インタビュー】G-DRAGONの“ものまねメイク”で話題のビューティークリエイターSSINの素顔とは？

2015/11/25 21:49 コメント

最近、韓国のビューティー業界で、絶大なる影響力を持っているビューティークリエイターのSSIN（シン）。「BIGBANG」のG-DRAGONや「少女時代」のサニーなど、スターの“ものまねメイク”やメイク動画など、興味深い映像コンテンツをYouTubeチャンネルにアップし、71万人以上のチャンネル登録者を抱えるビューティーYouTuber（ユーチューバー）でもある。“シンニム（シン様）”というニックネームで呼ばれ、その人気はまさにアイドル並み。

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　現在、ビューティーバラエティー番組「Pretty AVENGERS」（OnStyle）に出演しているほか、著書「メイクアップによる劇的な変化」の出版、講演会への参加など、多方面にわたり精力的に活動しているSSINが来日したと聞きつけ、話題の人物をいち早く紹介すべく、さっそくインタビューに行ってきた。

　インタビューの現場に現れた彼女は、動画で見ていた通り、透明感のあるキレイな肌の持ち主。とても明るく親しみやすい雰囲気で、「こんにちは」とあいさつし、日本語で話せるようだったので聞いてみると、日本の漫画やアニメなどで日本語を勉強したとか。「だいぶ忘れちゃったんですけど。高校生のときが一番上手でした！」と豪快に笑い、日本語と韓国語を交えながら、ものまねメイクのエピソードや、日本と韓国のメイクの違い、メイクの秘訣などさまざまな話を語ってくれた。

―まずは自己紹介からお願いします。
こんにちは。私は韓国でビューティークリエイターをしているSSINでございます。

―韓国では“シンニム”というニックネームで呼ばれていますが、どうお呼びしたら…。
“シンさん”と呼んでください。

―“シン様”ではなくてよろしいですか？日本では“○○様”といえば、ヨン様もいますが…。
“様”は絶対ダメです～。ハハハ（笑）。シンという名前は7、8年前、ニックネームを考えたときに、日本の漫画とかを見ていたら、シンイチとシンスケとかよく出てきて、“シン”のつく名前がすごく気に入ったので、付けたんです。

―現在、ビューティークリエイター、ビューティーYouTuberとして活躍されていますが、どのようなきっかけでこのような活動を始めたのでしょうか？
私は日本のコスプレとかビジュアル系が本当に好きで、5年前にそのメイクをNAVERブログにアップするようになったのが最初です。そして、4年前にTV番組の「Get it Beauty」、「スターキング」、「火星人Xファイル」に出演したのがきっかけで、自分で映像を作ったらどうかと思い、最初はiPhoneを使って、スタートしました。自分や友達、そして妹の顔をメイクする様子を撮影したんですけど、それが本当に面白くて、映像作りを2年間頑張りました（笑）。

―SSINさんの映像コンテンツの中で、いろいろな人のポーチの中身を見る「あなたのポーチを開けなさい」が人気ですが、これを始めたきっかけは何ですか？
初めは自分のポーチを見せていたんですけど、友達のポーチに何が入っているかって気になるじゃないですか。友達が好きなアイテムは何なのかを知りたくて、1人、2人と友達のポーチを見るようになったんです。そしたら、すごく反響があって、人気シリーズになりました。

―人気の理由は何だと思いますか？
やっぱり気になりませんか？友達が何を使っているのか。それをリアルに知ることができるし、知らないアイテムがあると、そういうアイテムがあるのか、私も使いたいという気持ちを起こさせるんだと思います。私自身も見たことがないアイテムがあると、すごく気になって、ほしくなったりしますから。テレビ番組とは違って演出もないし、むしろ一般人のポーチということでリアリティがあって、日常的な情報が得られるので、皆さんが共感しているのではないでしょうか。

―「あなたのポーチを開けなさい」に日本人が出演しているのも見ました。
私の友達の友達や、私のファンの方ですね。日本人のポーチには何が入っているのかなと思って、ちょっと失礼しました（笑）。

―日本人と韓国人のポーチに、何か違いはありましたか？
当たり前ですけど、日本人のポーチには、日本製のコスメが多いです。チークとかアイブロウとか。あと、ブラシの種類が豊富ですね。韓国人のポーチとはかなり違う印象を受けました。

―SSINさんといえば“ものまねメイク”も話題で、G-DRAGON、「EXO」のメンバー、「少女時代」のサニー、「SISTAR」ボラなど男女問わず、いろいろな有名人のメイクをされてきましたが、これまで何人ぐらいされたんですか？
男性は14人、女性は7、8人ぐらいですね。

―誰のメイクをするか、その選ぶ基準というのは？
4つあるんですが、1つめは自分が好きなアイドル。G-DRAGONさんがそうです（笑）。2つめはファンの方からやってほしいとリクエストが多い芸能人。3つめは、旬のアイドルや有名人。4つめは私と似ているアイドル、芸能人。

―では、これまで一番メイクが難しかった人は誰ですか？
女性アイドルが難しかったですね。私はピンクとかレースとか、女の子っぽいのが苦手なので（笑）。記憶に残っているのは、「EXO」のカイさん。初めて撮影スタジオで撮ったんですけど、すごく時間がかかった大きなプロジェクトでした。おかげで、再生回数も100万回ぐらいとなり、すごく反響がありましたね。

―「EXO」のメンバーだと、ものまねメイクをしたのはカイとシウミン…。
あと、ベッキョンさん。「EXO」は3人ですね。あと、G-DRAGONさんは過去の姿と、「BANG BANG BANG」のときの姿と2回やりました。

―G-DRAGONのファンの反応はどうでしたか？
90%は好意的なコメントだったんですが、10%はバッドコメントでした（笑）。

―日本にも“ものまねメイク”というと、G-DRAGONのメイクもしたことのある、ざわちんというタレントがいるんですが。
知っています！ざわちんさんが「BIGBANG」、「2NE1」、ハ・ジウォンさんとか、韓国の芸能人のメイクをしたのを見たことがありますから。私、ざわちんさんのインスタグラムをフォローしているんですよ。不思議な感じがして、ステキな方ですよね。ぜひ一度、お会いたいです。そして、コラボができたら楽しいだろうなと思います。

―日本と韓国の女性はメイクの仕方が違うと思いますが、どんなところが違うと思いますか？
一番はチークですね。日本人はしっかりチークをのせていると思います。それから、可愛いメイクが多いですね。アイブロウは明るいブラウン、ファンデーションはパウダータイプでマットな仕上がり、リップはピンクとか明るいカラーが好まれているように感じます。韓国人はリキッドファンデーションが多くて、リップはレッドとか。だから、韓国とは本当に違います。でも、私は日本のメイクが好きです。昔はギャルメークが好きで…。（とスマートフォンを取り出し、「これ、ギャルだったころの私です！」と写真を見せてくれながら）ビジュアル系が本当に好きで、MIYAVIさんとか、the GazettE、DIR EN GREYとか。コスプレも好きなんですよ！（笑）

―最初にやったコスプレメイクは誰だったんですか？
「BLEACH」の白哉さん！そして、「銀魂」の銀時さん。

―衣装はどうしているんですか？
写真を見ながら、自分でパターンから作ります。ウイッグも。私のメイク映像のベースには日本のコスプレ、ビジュアル系がありますね（笑）。

―メイクに限らず、トータルコーディネートができるんですね。
それが習慣になって、今も映像を撮るときは、頭からつま先まで完璧でなければ撮らないです。コスプレというのは、キャラクターをそっくりそのまま再現することじゃないですか。だから、頭からつま先まで完璧にマネをするのが習慣になりました。今も日本の文化とか、ファッション、メイクが本当に好きなので、今回日本に来てすごく楽しいです！

―今回、日本では何か買い物をされたんですか？
日本のコスメを。チーク、アイシャドーとか。日本には不思議なものが多いですよね～。美鼻を作る器具とか、二重を作るものとか。レビューしようと思って買いました。

―そういえば、SSINさんは辛口なコメントをする毒舌家としても有名だとか。
ハハハ（笑）。チャンネルを運用するうえで、やっぱり正直なのが一番大事だと思っているんです。当然、長所があったら短所もあるので、それを全て正直に伝えます。それをファンの方が支持してくれているんだと思います。

―正直に伝えることで誠実さが伝わり、信頼につながるんでしょうね。
でも、ブランド側はいつも私のことを怖がっています（笑）。ブランド側から、新アイテムをプレゼントされたりするんですけど、「これはいいんだけど、これは何かゴミみたいなアイテム」とか、正直に言ってしまうので（笑）。

―SSINさんの一言の影響力はすごいから、ブランド側も戦々恐々としているんでしょう。
以前、「moonshot」というブランドのパウダーが壊れたとき、インスタグラムに「えー、何これ!?　」ってアップしたら、社長さんから翌日、名刺と手紙と一緒に新しいものが送られてきたんです（笑）。ほかにも、シャンプーだったんですけど、「これいいですね！」と言ったら、その会社からシャンプーがたくさん送られてきました。それで、いろんな会社の方が、私の動画を見ているんだなと。だから、ちょっと負担でもありますね。

―そうすると、自分で買うより、もらうことが多いのでは？
たしかに多いですね。でも、送ってこようがこまいが、私には関係ないですからね。だから、もちろん良いものは良いと言いますが、良くないものも正直に言うので、ちょっときつい言い方になったりもします。

―日本のコスメアイテムで好きなものはありますか？
「マジョリカマジョルカ」、「キャンメイク」、「KATE」とか。「KATE」は本当に大好きで、特に、ファンデーションがお気に入り。パウダレスリキッドがオススメです！カバー力が高いし、パウダリーな仕上がりになるんですよ。韓国で買うと高いので、日本に来るたびにたくさん買っていきます（笑）。

―ビューティーに関する質問をたくさん受けると思いますが、どんな質問が多いですか？
「ファンデーション、アイライナーのオススメを教えてください」、「このブランドはどうか、レビューしてください」とか、「このアイドルのメイクをしてください」とか。

―その中でも、難しい質問というと？
「ウォータープルーフアイライナーの中で、一番いいものを教えてください」というような、いくつかのブランドを比較しなくてはいけない質問ですね。アイライナーのときは、20本ぐらい自分で買ってきて、検証したんですよ。こういうのはすごく喜ばれるんですけど、私自身はお金も時間もかかるので、しょっちゅうはできませんね（笑）。

―何十回も検証する場合、メイクをしては落としての繰り返しだと思いますが、肌は荒れたりしないですか？
大丈夫です。幸い、もともと肌が健康的なので（笑）。

―SSINさんが考える、この冬の愛されメイクを教えてください。
難しい質問ですね～（笑）。まず、眉毛はアーチをつくるのではなく、ストレート。そして、シェーディングをしたら顔が小さく見えるので、可愛くなると思います。シェーディングをするときは、口の形を「お」にすると、頬骨の下あたりにへこみができますよね。そこに入れると、シャープに見えると思います。そして、もう一つのコツは、頬は薄くして、あごは濃く！横から見たとき、頬はよく見えるので、目立ちますが、あごは目につかないので濃くするといいです。それから、眉から鼻の側面にかけてもシェーディング。鼻が高く見えて、小顔効果があると思います。

―アイメイクはどうでしょうか？
人によって目の大きさが違うので、テクニックが違うんですよ。だから、詳しくは言えませんが、私は日本の二重テープをたくさん使っています。目も大きく見せられるし、可愛く見せられるので、オススメです。

―日本の二重テープを使っているんですか。
毎日使っていますよ。日本は二重テープとか、不思議なアイテムを作るのが本当に上手だなと思います。寝ている間に二重になるアイテムとか、鼻パッド、鼻毛がごっそり抜けるワックスとか。涙袋に塗るアイテムもすごく多いですね。あと、日本はボディーアイテムも多いと思います。濡れマスクも買ったし、韓国でも人気の休足時間も買ったし、ホットアイマスクも母親が気に入っているので、たくさん買いました。日本はアイディア商品がすごく多いので、皆さんから「日本で何を買ったらいい？」と聞かれたら、そういうものをオススメします。1年前に日本に来たときは、アイリッドテープを10個ぐらい買ってきて、レビューしました。皆さん、面白がっていましたね。

―日本ではコスメ以外に関心のあるものなどはありますか？
5年前はビジュアル系とか、パンクファッションが好きで、当時はヘアスタイルも、ピンクカラーとかが好きだったんですけど、今は着物に興味がありますね。1年前、中古の着物を買ったんですよ。でも、帯をどう結べばいいのか分からなくて（笑）。調べてやってみたんですが、結局できませんでした。私、日本で一番好きな場所は浅草なんです。和風のポーチとか招き猫とか、だんごとか着物とか本当に好きで。だから、次日本に来たら、ヘアスタイルも含めて、完ぺきな着物メイクをしたいです！

―現在、テレビ番組にも出演し、ファンミーティングや講演会などもされていますが、これから新しく挑戦したいことはありますか？
ファンの方とはすでに交流をしているので、YouTuber同士のコミュニティーを作りたいです。アメリカに、2人のクリエイターが作ったVidConという大きなコンベンションイベントがあるんですが、1階はYouTube関連ブース、2階はクリエイターアカデミーブース、3階はビジネスフロアと分かれていて、ファンの方とも会えるし、YouTuber同士もコラボや公演ができるところなので、VidConコリアのようなものを作って、韓国でもそういう活動ができたらいいなと考えています。

―それを実現するため、すでに何か動いていることはあるんですか？
韓国はMCN（マルチチャンネルネットワーク）ごとに、YouTuberがいるんですが、お互いにライバルなので、それほど親しくないんですよ。せっかく素晴らしい方が多いのに、会社ごとに別々にいるのがもったいないので、ビューティーYouTuberは、会社とかライバルとか関係なく、頻繁に会って、悩みを分かち合ったり、情報の共有をしているんです。来年からは、カンファレンスのようなことをしたいと思っています。

―それを先頭に立って引っ張っていくリーダーが、SSINさんということですね。
（大きく息を吐き）はぁ。しなきゃいけませんね！

　最後に大きな夢も打ち明けてくれたSSIN。どんな質問にも、飾らず正直に答える姿勢が魅力的で、写真撮影でも、撮られ慣れしているせいか、さまざまなポーズを取り、チェキ撮影では「うわ～、キレイに撮れてる。私も1枚もらっていいですか？」と気さくに振る舞うなど、多くの人の心をつかむ理由が分かったような気がする。

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