「10CM」左からジョンヨル、チョルジョン
「10CM」左からジョンヨル、チョルジョン
3月15日(日)、東京・渋谷タワーレコード店にて、韓国の音楽史を塗り替えた、韓国音楽界の改革者「10CM」(シプセンチ)のが自身初のワンマンライブを行った。「10CM」は、クォン・ジョンヨル(ボーカル・ジャンベ)とユン・チョルジョン(ギター・コーラス)からなる男性デュオで、グループ名は2人の身長差が“10cm”であることに由来している。2010年に韓国デビューを果たして以来、20代から30代の女性を中心に絶大の人気を誇っている。

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 客席を埋め尽くした女性ファンが2人の登場を今か今かと待ちわびる中、ステージにブラックの革ジャンを来たジョンヨルと、ホワイトのトレーナーを来たチョルジョンが登場すると、会場は大きな歓声に包まれた。この日のオープニングナンバーは明るく軽快なメロディが特徴的な「3枚目のプレッシャー」と「今夜は暗闇が怖いよ」で、ジョンヨルの独特なハスキーボイスとチョルジョンの奏でるギターの美しい音色が心地よく響きわたった。

 この日最初のMCでは、チョルジョンが会場に集まったファンの顔を見渡しながら「こんにちは、『10CM』です!」と言うと、ジョンヨルが「タワーレコード渋谷(店)で、ついに皆さんにお目にかかることができましたね。韓国で生活している時も来てみたいと思っていた場所で、ここで皆さんに会えてうれしいです。昨日ファンミがあったのですが、(ここの)一階に僕らのDVDと歌があって、感慨深かったです。皆さんの知り合いにも『10CM』の“エロい感性”を届けてくれたらうれしいです。」と述べた。

 「次の曲は、僕たちがリメイクして韓国で愛された曲で、一気に韓国のチャートで1位になりました。でも僕らの曲ではないので、1位になっても僕らとは関係がないんですよね。だからうれしいのに、うれしくない、そんな気分です(笑)。」というジョンヨルの曲紹介に続いてスタートしたのは「エサン」で、曲の途中、ジョンヨルが独特なハイトーンのシャウトを披露すると会場のボルテージも急上昇!また「アフリカ青春だ」と「チュッケンネ(死ぬほどいい)」では、チョルジョンが繊細かつ透明感あふれるコーラスでジョンヨルと息を合わせ、観客を魅了した。

 演奏後、ジョンヨルが「さきほどの『チュッケンネ(死ぬほどいい)』は、甘くて愛らしい曲ですが、ただ僕たちは純粋で甘い曲は合わないので、わざとエロいポイントをつくりました。でも“胸が胸が”の部分はそういう次元の話ではなく、心臓のことです。皆さん『チュッケンネ(死ぬほどいい)』のような恋をしていますか?僕たちのライブはなぜかカップルが多いんですが、今日は女性が多いので、コンディションがいいですね。カップルがいると、韓国では、この曲を歌いながら『すぐに別れなさい!』と言っています(笑)」とユーモアを交え、観客の笑いを誘った。

 続いて披露されたのは、チョルジョンのお気に入りだという「片思い」と、ジョンヨルのお気に入りだという「ストーカー」の2曲で、ジョンヨルの伸びやかな歌声に、その場に集まったすべての人が酔いしれた。歌い終えて、ジョンヨルが「2曲とも片思いの話に関する曲です。片思いの中で僕の好きな歌詞は “先に寝ないで、僕のことを考えて”というところです。既存の歌詞で使われている歌詞よりも、人間的で正直な言葉のほうが好きなんです。韓国のバラードでは “僕は君のことを好きだけど、君は僕のことを好きじゃないよね。でも大丈夫”というような歌詞が多いですが、僕はそんなに優しくないんです。正直に言えば、片思いの人と両思いになれないから、僕はご飯も食べられないし、眠れないから、片思いの人が何事もなく過ごしている姿を見たくないんですよね(笑)。だから今日くらいは君も寝ないでいてくれ、という歌詞を入れました。『ストーカー』は、昔の片思いの経験を踏まえて作った曲ですが、僕がストーカーをしたわけではありません(笑)。それほどまでに片思いをしたということです。今の僕は誰が見てもセクシーで魅力的な声と外見を兼ね備えていますが(笑)、昔はそうでもなかったので、いろいろな片思いをしました(笑)」と茶目っ気たっぷりにコメントをすると、会場はたくさんの笑い声に包まれた。

 さらには、「10CM」の“エロい感性”の代表曲であるとも言われている「ノエ・コォッツ(きみの花)」と、ジョンヨル「一緒に歌ってください!」という合図でスタートした「アナジョヨ」と「サランウン・ウンハス・タバンエソ(=恋は「銀河水茶房(ウンハスダバンで)」を披露し、「10CM」の2人と客席のファンは、お互いに息ぴったりな掛け合いを思いっきり楽しんだ。

 そして、この日のライブには、「10CM」のニューシングル「さよなら(クリウォラ)」(3月21日発売)の訳詞を担当し、さまざまなイベントにもひっぱりだこの大人気のフリーアナウンサー・Yumiがスペシャルゲストとして登場!

ジョンヨル:原曲にしっかりと基づいた訳をしてくださったので、すごく大変だったと思います。
Yumi:本当に大変でした!韓国語と同じ文字数の日本語を歌の中に入れるのって、本当に大変だったんですよ。でも歌うのも大変じゃなかったですか?ジョンヨル:さっきYumiさんのインタビューを受けたときは、「全然大丈夫!」と言いましたが…。
チョルジョン:すごく難しい…。
ジョンヨル:僕は歌詞が日本語になっているので、新しい感性で歌うことができて、すごくうれしいです。「さよなら(クリウォラ)」は、心を痛めたことのある人だけが書ける曲なんですが…、(Yumiさんは)何があったんですか?ここで言えないくらい悲しい過去があるんですか?
Yumi:この年にもなれば、いろいろありますよ(笑)
ジョンヨル:「10CM」の音楽のかっこよさを一言でお願いします!
Yumi:正直な歌詞がたくさん出てくるのがすごくいいなあと思います。男女の等身大の恋愛を「生きた言葉」で表わしているところだと思います!

 Yumiがステージをあとにし、ジョンヨルが少しはにかみながら「僕はまだ日本語が下手なので、発音を笑われそうで緊張しますが、大目に見てください。かわいいと思いながら聴いてください(笑)」と言うと、客席から「かわいい!」という歓声が上がる。すると、ジョンヨルはすかさず「あ、初めてライブに来ましたね?僕は『かわいい』よりも『エロい』と言われるほうが好きなんです!(笑)」と切り返し、観客の笑いを誘った。

 同曲を歌い終えて、ジョンヨルは「『さよなら(クリウォラ)』の歌詞を次はちゃんと覚えてきます。今日も見ないで歌おうと思ったのですが、臨機応変に日本語が出ないので、歌詞を見ながら歌うことにしました(笑)。次はもっとかっこいい日本語の曲を歌いたいと思います!ところで、この曲はたくさん売れないとだめなので、よろしくお願いします!タワーレコードで映像(PV)が出たのを見たら、とてもかっこよかったです!(PVを)作ってくださった監督は日本の色彩が好きで、すごく日本っぽいものになっています。それがタワーレコードで流れていたのが不思議でした」とコメントし、感慨深い様子。続く「キングスター」は、「10CM」の数ある“エロい曲”の中でもボス的存在のナンバーで、2人は「10CM」の独自性と魅力がぎゅっと詰まった圧巻のボイスパフォーマンスを披露した。また、チョルジョンとバックバンドによるアップテンポなアンサンブルでスタートした

 「Oh!YEAH!」では、ステージ上にいる「10CM」も客席いるファンも身体を揺らしてノリノリの様子。その勢いのまま「オヌルパメ」、「死ぬかつきあうか」、「アメリカーノ」を連投すると、会場のボルテージはいよいよ最高潮に!

 「10CM」とファンが一体となって楽しんだライブもいよいよエンディングへ。
ジョンヨルが「音楽をしている友達が日本に行くと、日本のファンは一緒に歌ってくれないと言うのですが、僕には、それがよくわからないですね。皆さんはいつも一緒に歌ってくれますし、僕が望めばすぐ反応してくれますし。だから、彼らは「ヒット曲がないから一緒に歌ってもらえないんだな」と思っています(笑)。それにしても今日のライブには、本当に男性の方がいないですね。それでコンディションがいいのか、進行が予定よりも早まってしまいました。ということで、もっとたくさんの曲を聴かせることができるのですが、何かリクエストはありますか?」と聞くと、客席のファンは思い思いにお気に入りの曲名を叫び、「10CM」はファンのリクエストに応えて「においのする女」と「モーニングコール」、そしてアンコールナンバーである「スダムスダム(なでなで)」、「タバコ王スモーキング」、「Nothing without you」を披露。

 そして、ライブの最後には、ジョンヨルが来場したファンに「今日はニューアルバム『10CMです。』とニューシングル『さよなら(クリウォラ)』のリリースを記念したライブです。不思議なのは、日本に来るたびにライブの集客人数が増えているところです。インタビューの中でも冗談っぽく言うことがあるのですが、韓国で音楽をしている時から武道館でライブをするのが夢だったので、これからも頑張ります。(ライブに来てくれるお客さんが多くなっていくたびに)おもしろくてときめく気持ちを感じていて、本当に感謝しています」と真心を込めて感謝の言葉を述べた。

 また、「アルバム、たくさん聴いてくださいね。また新しいアルバムを作ったら、ライブをするので、ぜひ友達と一緒に来てください!もっともっと“エロい”姿をお見せします!」と呼びかけ、ファンに今後の更なる飛躍を約束した。こうして、名実ともに「韓国音楽界の改革者」と呼ばれるにふさわしい「10CM」の魅力にあふれたワンマンライブは大盛況のうちに、その幕を下ろした。

 またワンマンライブ終了後には、マスコミによる囲み取材が行われ、自身初のファンミーティングとライブを大成功のうちに終えたばかりのリアルタイムな感想、日本ファンの印象など、ありとあらゆることをありのままに語ってくれた。


<B>―「10CM」は身長差ですが、体重差はどのくらいですか?</b>
ジョンヨル:7キロですね。
チョルジョン:僕のほうが重いですね(笑)

<B>―昨日のファンミーティングと今日のライブを終えた感想をお願いします。</b>
ジョンヨル:ファンミーティングもライブも初めてだったので、新鮮でわくわくしました。どちらも思っていたよりも多くのお客様にいらしていただいて、楽しんでいただけてうれしいです。
チョルジョン:観客がどんどん増えて緊張しています。これからもっと緊張することになりますよね。頑張ります!

<B>―日本のファンの印象はどうでしたか?</b>
ジョンヨル:コミュニケーションがすごくスムーズにとれて、楽しくて盛り上がったのではないかと思います。手拍子のリズム感がすごく正確で、歌もお上手でうれしかったです。
チョルジョン:そろそろ字幕もいらないのかなと思うくらい(反応がよかった)です。これからもっと日本語を頑張りたいと思います。

<B>―韓国に戻る前に日本でしておきたいことはありますか?</b>
ジョンヨル:服を買いたいですね。好きな日本のブランドが多いので。コムデギャルソンとか。
チョルジョン:僕はフィギュアを買いたいです。
ジョンヨル:オタク!(笑)
チョルジョン:ワンピースのフィギュアがほしいです。家の壁の一面に壁があるのですが、そこはフィギュアでいっぱいです。ドラゴンボールもあるし、エヴァンゲリオンもあるし。

<B>―(写真を撮る時の)左右の位置は決まっていますか?</b>
ジョンヨル:決まっていますね。
チョルジョン:この位置が心地良くて、反対にするとなんだか変な感じがします。

<B>―“エロい”歌詞は、どんなシチュエーションが生まれてきますか?</b>
ジョンヨル:カフェで女性を見ているときですかね。(「どこを見ているのか」と聞かれると胸に手を当てながら、意味深げな表情で)心です。


 一度聞いたら心を奪われること間違いなし!「10CM」の美しすぎる歌声をぜひとも聴いてみていただきたい。




さよなら(クリウォラ)/10CM(シプセンチ)
さよなら(クリウォラ)/10CM(シプセンチ)




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