韓流ブームとともに韓国ミュージカルも続々と日本市場に進出している。だが、依然として特定の韓流スターファンのための「イベント」という枠から抜け出せていないという指摘が聞かれる。

 松竹のプロデューサー、菱沼妙子氏は今月6日、ソウル・忠武アートホールで開かれる第3回ソウルミュージカルフェスティバル国際コンファレンスで「日本市場における韓国ミュージカルの現状と課題」をテーマに発表を行う。

 松竹は映画や演劇、歌舞伎などさまざまなジャンルの作品を製作・配給。「ミュージカル宮」「美女はつらいの」などの韓国ミュージカルを日本に紹介した。

 菱沼氏は、松竹がその後、韓国ミュージカルを日本に紹介することを中断していると伝えた。その理由として韓国ミュージカルのK-POPスターに依存したキャスティングを挙げた。

 韓国ミュージカルは日本ではまだ市場が成長していないため、日本で人気があるK-POPスターのキャスティングが必須だが、そのキャスティングが決定するのが遅いため日本で戦略的なプロモーションができないと説明した。

 また、チケットが1万3000~1万6000円と高額でK-POP歌手のファン以外は買わないという点、さらに特定の歌手の出演料が高いため別の費用を抑える過程でほかの出演者のレベルが落ちるという点などを問題として指摘した。

 菱沼氏は「韓国ミュージカルが日本で商業的に成功した例が少ないため日本の事業者は韓国側と組むことを敬遠している。韓国ミュージカルそのもののファンが増えず、特定スターのファンのための一種のイベントになっている」と話した。

 ただ、韓国ドラマやK-POPなど韓流ブームが土台としてある点、俳優たちの歌唱力やダンス、演技、音楽、ストーリー、演出が優れている点などは韓国ミュージカルの魅力であり成功要因となり得る点だと評価した。

 6~8日まで行われるコンファレンスでは、韓国と中国、日本のミュージカル関係者が各国の事例などを取り上げ発表する。


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