(C)CJ E&M Japan
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現在韓国で大ヒット中のバラエティ「花よりお姉さん」のMnet Japanでの日本初放送を記念し、2月25日、日韓バラエティ制作者対談「Asia Variety TV Forum」が韓国文化院ハンマダンホールで開催された。

 対談したのは「花よりお姉さん」や「1泊2日」「花よりおじいさん」を手がけるCJ E&Mのナ・ヨンソクPDと、大泉洋が出演する人気バラエティ「水曜どうでしょう」を手がける北海道テレビ放送の藤村忠寿ディレクターだ。いずれも、タレントがサバイバルな旅をする様子をカメラに収めた旅行バラエティ。制作者が頻繁に画面に登場するのも両番組の共通点だ。司会は韓国と日本でタレント活動経験を持つタレントの藤原倫己。日韓のバラエティの達人たちが、バラエティに賭ける思いや、撮影のエピソードについて大いに語り合った。

「私はナPDです。今日、がんばります!」
 ステージに登場したナ・ヨンソクPDが日本語で挨拶すると、大きな拍手と歓声が。まるでアイドルスターを迎えた時のような盛り上がりぶりに、藤村ディレクターは、「すごい人気ですね! ナPDはVTRに登場するから、みんな知っているんですね」とびっくり顔に。和気あいあいとした雰囲気の中、トークがスタートした。

 お互いの番組を見たことがあるという、藤村ディレクターとナPD。
「『1泊2日』を見て、韓国に似た感性を持つ人がいることを知ってうれしかった」と、藤村ディレクターが感想を言えば、「まったく同じです。僕も、『水曜どうでしょう』をみて、『同じことを考えている人が日本にいた!』と。あまりにも似ているので、不思議でした」とナPDも深くうなずいた。

 2人は初対面でありながら、番組が目指すことや表現手法について、似ている点がとても多いことで意気投合。例えば、バラエティのテーマに旅を選んだのは、個人的に旅行大好きであることと、ハプニングが起きやすい設定だからという理由。また、撮影中には旅先で起きる小さな出来事を見逃さずに、おもしろおかしく表現して見せる、というのも共通点だ。

 一方、異なるのは、制作スタイル。藤村ディレクターの「水曜どうでしょう」は出演者2人、スタッフの4人だけで作っているのに対し、ナPDの「花よりシリーズ」のスタッフは約20人と大所帯だ。
「日韓の好みの違いがあるのかもしれませんが、韓国はきれいな画面を好むので、いろいろな機材を使い、スタッフも増えていく。スタッフが多くなると、旅行をしている雰囲気がなくなってしまうのでは、というジレンマもあります」と明かしたナPD。さらに「でも藤村さんの作った番組を見て、少人数でもちゃんと面白いものをつくれるという確信を得ました。ですから、いつか似たような番組を作りたいという欲望を持っています。もしその番組が実際にオンエアされたときには、藤村さんのコピーだと思うかもしれませんが、目をつぶってくださいね(笑)」と付け加えると、会場は笑いの渦に包まれた。

 また、「2人で合作バラエティを作ることになったら?」という質問に対して、ナPDが「花よりお姉さん」の女優たちを「水曜どうでしょう」に起用することを提案。しかし、「女性を理解するのは大変。彼女たちは、顔では笑っていても本当は怒っていたり、顔では怒っていても、本当はすごく喜んでいたりするんですよ」というナPDの裏話に、藤村ディレクターが、「僕も、いつも女性には苦労しています」と苦笑する場面もあった。

「言葉は通じないけれど心が通じるという制作者がいるということは、バラエティが隣同士の2つの国が仲良くなる手段になり得るということだと思う。任務を負っているような気がします」という藤村ディレクターと、「韓国と日本は、「近くて遠い国」と言われます。司会をしてくれた藤原倫己さんも日韓で活躍していますが、第二の藤原さん、第二、第三の藤村ディレクターと僕のような人が出てくれば、お互いの国に対する理解が深まり、国の関係も変わっていくのではないかと思います」と語ったナPD。

 共感モードで盛り上がった1時間半のトークでは、2人の考え方がそっくりで会場からも驚きの声が上がっていた。最後にナPD曰く、「藤村ディレクターともっと話したいことはたくさんあるけれど、続きのトークはいつか2人で一緒にバラエティに出る日まで取っておきたいと思います!」 国や言葉は違えども、おもしろいと思うツボは同じ。日本と韓国のバラエティ交流の明るい未来を予感させるフォーラムだった。


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