好調が続く韓国の映画界。映画の観客動員数は昨年に続き今年も1億人を超えたが、製作スタッフは正式な契約書もない状態で現場に投入されるなど劣悪な環境で働いていることが29日、分かった。国会教育文化体育観光委員会所属の金姫廷(キム・ヒジョン)議員(与党セヌリ党)が映画振興委員会から提出を受けた資料で明らかになった。
 資料によると、昨年1~9月に公開された49作品のうち、雇用期間や賃金、労働時間などを記す「標準勤労契約書」をスタッフと交わした作品は一つもなかった。調査は349作品を対象に実施したが、回答したのは49作品のみだった。
 映画界はスタッフの劣悪な待遇や労働環境を改善するため、2011年に標準勤労契約書を導入することにし、昨年5月に義務付けた。
 一方、4大保険(国民年金、健康保険、雇用保険、労災保険)に加入したのは6作品のみだった。うち4作品は一部スタッフだけが加入していた。
 金議員は「映画産業の中長期的な発展のためには優秀なスタッフが現場を引っ張っていかなければならない。映画への情熱を持っていても、最低賃金にも及ばない額で生活するのは難しく、待遇改善に向けた対策づくりが急がれる」と指摘した。

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