中国やハリウッドで勝負する韓流俳優たち
中国やハリウッドで勝負する韓流俳優たち
「これからは海外で勝負する」。韓流俳優たちの海外進出が2013年を起点に、より活発になる見通しだ。これに伴い彼らの“価値”も上昇の勢いを見せている。

イ・ビョンホン の最新ニュースまとめ

 これまでの韓流を導いた「冬のソナタ」「宮廷女官チャングムの誓い」「朱蒙(チュモン)」などのドラマが“メイド・イン・コリア”の輸出だったとしたら、これからは韓流スターたちが海外に舞台を移して、現地の作品で勝負をかける。

 主な市場はハリウッドと中国だ。一時は日本市場に力を注いでいたが、日本の景気低迷などにより活動舞台を移した。ハリウッドや中国が韓流のブルー・オーシャンとして浮かび上がっている。

 芸能関係者たちは誠実さと演技力、心を備えた韓流俳優たちの海外進出がますます増えると予測している。

■ハリウッドを攻略しろ=イ・ビョンホンキム・ユンジンペ・ドゥナが先頭に立つ。

 韓国俳優イ・ビョンホンは2008年にフランスなどの多国籍合作映画「アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン」、2009年にハリウッド大作「G.I.ジョー」で西欧市場の扉をノックした。現在、韓国国内における最高のギャランティーが6~7億ウォン(約5100万~6000万円)という状況で、イ・ビョンホンは既に数年前の映画で、10億ウォン(約8500万円)をこえる出演料を受け取っていたとされる。そしてことし、彼は「G.I.ジョー バック2リベンジ」と「RED/レッド2」という2作品のハリウッド作品で全世界の観客に会うことになる。

 海外作品のギャランティーは言及されることがないため、俳優もそれを公開することはしないが、ハリウッドでのイ・ビョンホンの“価値”は現在、30億ウォン(約2億5500万円)を超えると察することができる。前作の成功で続編を撮る場合、ギャランティーは2倍以上になることが普通だからだ。特に、4年前の「G.I.ジョー」がアジア圏で公開され、イ・ビョンホンの人気を目で確認したハリウッドでは、彼を再びキャスティングし、彼に見合った待遇を示した。

 韓国女優キム・ユンジンも同様だ。2004年9月に米国ABC放送でお目見えしたドラマシリーズ「LOST」にキャスティングされ、現地のテレビ界に足を踏み入れた彼女のギャランティーは、同作が全世界的にヒットし2010年5月にシーズン6で幕を閉じるまで、急激に上昇した。

 2004年の韓国国内におけるドラマ最高の出演料は1話1~2千万ウォン(約85万~170万円)ほど。しかし、女優キム・ユンジンは当時、米国ドラマ出演で1話5~6千万ウォン(約420万~500万円)受け、各シーズンの人気に合わせ、最終シーズンでは1話2億ウォン(約1700万円)を超えるギャランティーだったと知られている。「LOST」はシーズンごとに14~25話で構成されていた。シーズン6は25話まで放送されていたため、キム・ユンジンはそのシーズンだけでも、最低50億ウォン(約4億2500万円)のギャランティーが発生していたことになる。

 米国のドラマはシーズン化されると、俳優たちの出演料が跳ね上がるというが、「LOST」もやはり、全世界200カ国以上に輸出されるなど大きな人気を博しながら、シーズン6まで制作され、キム・ユンジンもその特需を受けることになった。また「LOST」は、シーズンごとに生存者が減っていったのだが、キム・ユンジンの役柄は最後のシーズンまで生き残り、米国国内での人気を証明した。

 その好評を受け、ABC放送の新作ドラマ「ミストレス(mistress)」にもキャスティングされ、ことし春の放映を控えている。同作ではアリッサ・ミラノに続く2番目のメインキャストだとされる。キム・ユンジンは聯合ニュースとのインタビューで「『LOST』ではスタッフが“ユンジン”と発音できず、名前を覚えてもらうのに2週間かかったのだが、『ミストレス』では初撮影日からスタッフが皆、わたしのことを知っていた」とし、「2番目のメインキャストになるとここまで違うのかと思うほどだった」と語っている。

 女優ペ・ドゥナにラブコールの嵐。興行は大ヒットとは言えないが、世界的な監督であるウォシャウスキー姉弟と1300億ウォン(約110億円)を投じた映画「クラウド アトラス」に出演したペ・ドゥナは、ハリウッドのメインストリーム関係者たちの目に止まり、「興味をそそる神秘の俳優」という評価を受けている。

 ■中国市場はとても広い=1990年代にドラマ「愛が何だっていうの(原題)」が“テバリ父さん”シンドロームを起こしてから、中国内での韓流ブームはドラマと映画に問わず、量的・質的に拡大している。今では、中国ドラマに韓国俳優が主人公として出演することも珍しくないほどだ。特にチャン・ソヒ、パク・ヘジン、チュ・ジャヒョン、チャン・ナラらが最近、中国のテレビ界において韓流ブームを起こしている。

 ドラマ「人魚姫」にて中国に進出したチャン・ソヒは昨年初め、BTVを通して報道された30部作「ソウル イム師父」に出演し大人気を博したのに続き、昨年12月に放送をスタートさせたフサンTV500億ウォン大作時代劇「隋唐英雄」の主人公を担った。ギャランティーの詳細は明かされていないが、1話あたりおよそ1億ウォン(約850万円)ほどだとされている。彼女はことしも中国活動に専念する計画だ。

 「噂のチル姫」で中国に進出した俳優パク・ヘジンも、中国ドラマの相次ぐヒットにより、チャン・ソヒに匹敵する待遇を受けている。彼は2011年中国ドラマ「銭多多嫁人記」、2012年「もうひとつのきらびやかな人生」で成功し、人気も急上昇した。昨年2012LETV映画&ドラマ授賞式で、韓国の男性俳優としては初めて、アジア最高スター賞を受賞した彼はことし、湖南衛星テレビドラマ「愛上獅子座」の放送を控えている。

 パク・ヘジンの所属事務所ダブルユーカンパニーは「中国での人気が相当だ。作品のラブコールが続いている」とし、「現在、中国で活動する韓国の男性俳優の中でも最高の待遇を受けている」と伝えた。

 韓国国内では活動がまばらな女優チュ・ジャヒョンも中国では“ホット・スター”だ。2011年「回家的誘惑」、2012年「木府風雲」などに出演し、現地での活動に成功した。1話の出演料は5000万ウォン(約425万円)を超えているという。

 女優チャン・ナラは「純白之恋」(2007)、「競馬場」(2012)など多くの中国ドラマに出演し、中国人だと誤解を招くほど現地視聴者から愛されている。彼女もやはり現地の人気継続のため、中国活動を積極的に行っていく予定だ。

 映画界においてはソン・ヘギョ、クォン・サンウ、チャン・ドンゴンが活発に活動中だ。韓国ドラマ「秋の童話」や「フルハウス」で中華圏を中心に爆発的な人気を誇る女優ソン・ヘギョは、ことし2作品の中国映画を世に送り出す。

 彼女はブルース・リーの師匠であるイップ・マンの一代記を描いたウォン・カーウァイの新作「一代宗師」で、トニー・レオンやチャン・ツィイーらと共演した。同映画は去る8日に中国全域5千か所のスクリーンで公開し、初日だけでも3千万中国元(約4億4500万円)を売り上げた。また7日に開幕するベルリン国際映画祭の開幕作に選ばれ、ヨーロッパでも公式上映される。

 ソン・ヘギョはまた、ジョン・ウー監督のロマンス劇「生死恋」の主人公に選ばれ、撮影を終えた。これらの映画を通し、ソン・ヘギョは1本あたり10億ウォン(約8500万円)を超える出演料を受け取ったとされる。

 韓国俳優クォン・サンウは最近、世界的なアクションスターのジャッキー・チェンと共演したアドベンチャー作品「ライジング・ドラゴン」で中華圏でも有名になった。昨年、香港スターのセシリア・チャンと共演したロマンス映画「7日間の恋人」で、中華圏の扉を開いた彼は、「ライジング・ドラゴン」の成功で人気が急上昇することになった。

 映画「ライジング・ドラゴン」は昨年12月20日に中国で公開し、18日目に映画館入場券売上額1億ドル(約92億円)を突破した。クォン・サンウは同映画を通し、国内映画出演料の3~4倍以上を支給されたと伝えられた。ちなみに、彼の韓国映画出演料は5~6億ウォン(約4200万~5100万円)だとされる。クォン・サンウの所属事務所ベルアクターズエンターテインメントは「中国側から継続して連絡を受けている。映画の興行で“価値”も上昇した」と明かした。

 俳優チャン・ドンゴンもことし、中華圏攻略に拍車をかける計画だ。2005年「PROMISE 無極」で世界的な監督チェン・カイコーと共にした彼は、昨年9月には「危険な関係」で中国のボックスオフィス1位を獲得し、韓流俳優としての存在感を示した。

 チャン・ドンゴンの映画出演料は15~20億ウォン(約1億3000万~1億7000万円)だとされる。チャン・ドンゴンの所属事務所SM C&Cは「中国市場がだんだん大きくなり、チャンスも増えた」とし、「『危険な関係』を皮切りに、国内活動に負けないくらい中国での活動も積極的に展開している予定だ」と明かした。


 0