ト・ジハン
ト・ジハン
「”オールヌード”での演技が最初はとても恥ずかしかったです。現場に女性スタッフもいたので…。でも、撮影していくうちに慣れていって、後半の撮影では何も考えずにただ脱いでいました(笑)」

韓国映画「ザ・タワー 超高層ビル大火災」のキャスト、公開日、あらすじ

 最近、映画「タワー」で顔を知られ、話題となっている新人俳優ト・ジハンは同作品で見せた”露出演技”に関してこう答えた。

 同映画で、駆け出しの消防員役を演じた彼は劇中、入所初日に先輩消防員のいたずらでシャワーを浴びている最中に突然出動命令を受けて裸のまま飛び出す演技を披露した。

 同映画は現在、観客動員300万人に届く勢いを見せ、映画を見た観客らの間で彼のコミカルなシーンが話題となっているのだ。さらに、女性のハートをしっかりと掴むイケメンであり、かつウォンビンにそっくりだという声が上がっている。

 先ごろ、インタビューに応じたト・ジハンは恥ずかしかったというヌード演技さえ、今となっては楽しい思い出だったと話す。

 「前部分だけテーピングで隠しましたが、それ以外は本当にオールヌードで出演しました。最初は撮影シーンをモニターで確認するのも恥ずかしかったのですが、いたずら好きな監督は退屈になると僕のお尻が映ったシーンを画面に写すんです。それを何度も見ていたら、恥ずかしいという感覚が鈍くなっていきました(笑)」

 ブロックバスター災難映画ということもあり、体力的にきついシーンが多かったため、露出シーンはさほど大変ではなかったという。

 「消防ホースの水圧がとても強く、一人で掴んで耐えるのが本当に大変でした。ソル・ギョング先輩と一緒にホースを掴むのも緊張しました。さらに、暑い夏にセットの中で火災用の火を前に撮影し、加えて火のシーンでは80~90%が実際の火でした。そのような暑さの中で消防員の服、ヘルメット、重い装備を着用して撮影したので、暑さに耐えるのも大変でした」

 劇中、ソル・ギョングの「私の側から3メートル以上離れるな」という指令を守り、彼はソル・ギョングが出るシーンはほぼ全てに登場。難しいシーンも共に撮影した。

 このように大変な撮影であったにも関わらず、彼は同映画を「自分にとってはプレゼントのような作品」と表現した。

 「『マイウェイ 12,000キロの真実』の最終撮影を行っている時期に『タワー』のオーディションを受けました。幼い頃からソル・ギョング先輩が大好きだったんです。先輩がこの映画にキャスティングされたと聞いて、どうしても一緒に参加したいと思いました。また、アン・ソンギ先輩も僕の”ロールモデル”のような存在。その2人が出演する映画ということで、さらに気持ちが高まりました。オーディションに受かりキャスティグされた時は、自分でも思い出せないほど大喜びしました」

 2011年下半期の「タワー」撮影期間は、彼にとってはあまりにも懐かしいものとなった。

 「先輩方がとても可愛がってくだわり、本当に幸せでした。撮影中はずっと一緒にいたので、僕のことを気にかけてくださり、撮影が終わると『お酒でも飲もう』と誘い出してくれました。得に過酷なシーンが多く、終わると監督とギョング先輩、(キム)サンギョン先輩、(キム)イングォン先輩などと集まって1~2時間食事をして、また翌日朝に撮影現場へ向かうという生活をしていました。1年が過ぎましたが、最近は舞台挨拶で再び皆さんと会って、近況報告など会話を楽しんでいます。出演者が集まると本当に楽しい雰囲気になるんです。一人になると先輩方に会いたいな、と恋しくなります」

 「タワー」は公開から1か月しか経っていないが、撮影を終えてからの1年でト・ジハン自身にはとても多くの出来事があったという。

 チャン・ドンゴンの子役として出演した「マイウェイ 12,000キロの真実」が公開されると少しずつ名前と顔が知られるようになり、映画「隣人」では初めてオーディションなしでキャスティングされた。また「隣人」は240万人の観客を集めて興行にも成功。続けて、MBCドラマ「君なしでは生きられない」には主要配役として出演した。

 「ファンクラブとまではいきませんが、70人ほどの方々が僕に関心をもって、いつも応援してくれています。舞台挨拶があれば駆けつけてくれて、感謝の言葉しかありません」

 デビューから3年という経歴を考えると、ブロックバスター映画2作品に続けて出演し、産業映画3作品に出演したというのは珍しい幸運だ。

 中学生の頃、両親の勧めで中国留学へと旅立ったト・ジハン。しかし、俳優という夢を諦めきれずに2年の留学を経て韓国へ帰国した。その後、中学高校という課程をしっかりと終えて、俳優の道に進んだ。

 2009年、19歳でKBSドラマ「姫が帰ってきた」でデビューし、SBSドラマ「クリスマスに雪は降るの?」でコ・スの子役だったキム・スヒョンのライバル役を演じた。

 デビュー前、秀でた外見から「アイドル活動に興味はない?」と道端で何度もスカウトを受けていたが、彼は俳優の道を選んだ。

 「僕は昔から人見知りで、口数も少ない内向的な性格だったので、アイドルには向いていないと思い、興味も持ちませんでした。でも、映画は幼い頃から好きで、演技をしてみたいと思っていました。父は反対していたのですが、結局は僕の情熱が勝り、(俳優の道に進むことを)許してくれました。今では、僕の性格でどのように俳優をやっているのか、と父がとても不思議がっています」

 インターネット上には「ト・ジハンとウォンビン」という検索語が並ぶほど「ト・ジハンとウォンビンはそっくりだ」という声が上がっている。しかし、ト・ジハン本人はこれをプレッシャーに感じているという。

 「まだウォンビン先輩に会ったことがないので、実際にはどのように見えるのか気になります」

 彼は、俳優という仕事に関して「ただ楽しくて仕方ない」と話す。

 「仕事自体が楽しいので、この仕事が僕に合っているのかどうなのかは考えたこともありません。演技に関してはまだ至らない点が多いですが、少しずつ成長した姿をお見せできればと思います」

 今後、挑戦してみた映画を尋ねると、ト・ジハンはこう答えた。

 「楽しいロマンチックコメディを撮影してみたいです。それから、男らしいノワールジャンルにも挑戦してみたいです。これまでは、同世代の女優さんと共演したことがないので、同年代の方と共演してみたい、という思いもあります」

 0