メンバー、ファヨンの脱退が伝えられた「T-ARA」
メンバー、ファヨンの脱退が伝えられた「T-ARA」
韓国ガールズグループ「T-ARA」の所属事務所がメンバー、ファヨンを脱退させたことで、グループ内のチームワークの問題が話題になっている。

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 30日、脱退発表を前に、「T-ARA」の一部メンバーがファヨンを叱責するような文章を連続で掲載し、「ファヨン、いじめ説」「グループ不仲説」が浮上。事務所はこれを否定したものの、今回の事態を見たネットユーザーの疑問視する声は後を絶たない。

 多くのアイドルグループが活動する市場で、これまで「少女時代」テヨン、「KARA」パク・ギュリ、「AFTERSCHOOL」ユイ、「T-ARA」ボラムなど一部のメンバーへの「いじめ説」「不仲説」は事実有無を離れ絶えず提起されてきた。

 実際、「SUPER JUNIOR」のイェソンは、6thアルバム発売の記者会見で「グループを見ると、メンバー同士仲良くないケースが99%」とし、「現存する歌手で仲良しなグループはほとんどないと思う」と言及したことがあった。

 歌謡関係者たちはK-POPが全世界の市場で注目を受けている点で、グループの内紛は韓流拡散に否定的な影響を及ぼすだろうと見ている。グループ内の葛藤(かっとう)の原因と事務所における対策を探る。

■葛藤なぜ…所属事務所主導の限界=音楽の専門家たちはこのような問題はアイドルグループの胎生的な限界から出発していると口を揃える。フランスなど一部の海外メディアが指摘していたように、事務所主導のもとにメンバーたちを組み合わせ、文化商品として育てるという過程で潜在していた火種であるということだ。

 大衆文化評論家チョン・ドクヒョン氏は「最近のアイドルグループは、音楽を中心に自然と集まって成長したグループでなく、事務所が人為的に作り上げたグループ」とし、「過去のグループは、音楽的問題で解散に至ったケースはあるが、グループ内の人間関係で起こることはなかった。メンバーを組み合わせ、商品化する過程で浮かび上がった亀裂」と説明した。

 あるガールズグループの事務所理事も「10~20代の若い子たちが集められ、合宿生活をしながら微妙な性格の相違を経験する」とし、「精神的に未熟なため、葛藤が起こる」とした。また、グループ内の過剰な競争も重要な原因だ。特に、メンバーのソロ活動が活発化し、特定メンバーがずば抜けた人気を得ることも多いからだ。実際に某ガールズグループは特定メンバーのソロ活動が活発で、メンバーたちと彼女たちの両親がこれを提起しながら、事務所がその葛藤を縫い合わせた例もある。このような事態を防ぐため、一部の事務所では人気メンバーが得た収益を他メンバーと分配する処置を取っている。

 また、某アイドルグループの広報関係者は「みんなの愛を受けたいという職業のため、特定メンバーが人気を得れば感情コントロールが難しくなる」と指摘した。また、最近のグループはメンバー数も多く、デビュー当時のメンバーから増員や交代が相次ぎ、新メンバー加入も主な原因となっている。

 ある事務所のマネジャーは「メンバー交代が過度の競争を起こすことは事実」としながら、「練習生生活を終え、人気を得たグループのメンバーたちは、新メンバーがその人気に便乗したという思いで、反感を持つようになる」と付け加えた。このような事柄が解決されなければ、特定メンバーが「いじめ」を受けることもある。

 過去にグループのメンバーとして活動していた女性は「練習生時代も、食事をするときも他メンバーから声をかけてもらえなかった」とし、「ステージに立つこと自体がかなりのストレスになった」と吐露したりもしている。

■副作用は…K-POP拡散に否定的=歌謡関係者たちはK-POPが国内外のファンを魅了する中で、グループ内の問題はK-POPの拡散に否定的な影響を及ぼすものと見ている。実際に「T-ARA」ファヨン脱退について国内外のファンが同時に反応を寄せている。

 あるレコード会社代表は「数年前の『東方神起』の件は事務所と所属歌手の問題だったが、英国のメディアなどが奴隷契約として否定的な視点から解析した」とし、「グループのメンバー間の不仲が相次ぐ場合、K-POPファンが背を向けることになる要因になる」と指摘した。

 また、アイドルグループの主要ファン層は青少年であることから、「いじめ説」まで引き起こした「T-ARA」の影響は大きい。チョン・ドクヒョン氏は「『T-ARA』の問題は、国内社会での問題を代弁している。事実と差があったとしても、社会内部に潜む問題がアイドルグループを通して浮き彫りになったと言える」と分析した。

■再発防止の対策は…核心は疎通=事務所関係者たちは再発防止対策として、事務所及びメンバー間の疎通を挙げた。

 グループ「SUPER JUNIOR」も記者会見で、メンバーたちが良い関係を維持できた背景として、「気に入らないことがあると、殴り合いにもなるし口げんかもする」とし、「けんかして終わるのではなく、他メンバーが仲裁に入る。常にそうやって過ごす」と説明している。

 実際に一部の事務所はメンバー間に誤解が生じないように、会話の席を設け、精神的な相談の機会を取っている。ある事務所の副社長は「まるで学校の先生と生徒の相談会のように、メンバーたちが集まって対話する席を設けている」とし、「さらに、メンバーの両親とも月1度のペースで会う機会を持っている。メンバー間の問題や活動状況、計画などを論議する場だ」と説明した。

 また、殺人的なスケジュールをこなしながらストレスを抱える歌手たちのため、外部の講師を呼んで行う心理相談なども展開している。ある事務所の理事は「心理カウンセリングの専門教授が定期的に事務所を訪れ、歌手及び練習生たちの相談に乗る。歌手もその効果に満足している」と伝えた。

 これに関してチョン・ドクヒョン氏は「『T-ARA』事態の核心は、特定メンバーの問題というより、メンバー間や事務所間での疎通がうまくはかれていなかったことにあるようだ」とし、「感情をコーチングするためには、マネジメント段階で内的・外的装置を準備しなければならない」と強調した。

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