アン・ソンギ=(聯合ニュース)
アン・ソンギ=(聯合ニュース)
ことしでデビュー55周年を迎える俳優のアン・ソンギが今後もこれまでと同様に映画俳優として歩んでいきたいと抱負を語った。

アン・ソンギ の最新ニュースまとめ

 アン・ソンギは1957年、5歳のときにキム・ギヨン監督の映画「黄昏列車」で子役としてデビューした。60歳の現在も映画に対する情熱は衰えず、今年は年初から出演映画「折れた矢」(原題)と「ペースメーカー」(原題)の2本が同じ日(19日)に公開される。

 主演映画「折れた矢」は2007年に韓国であった実話を基にした作品。解雇理由が不当だとして起こした裁判で敗訴した元大学教授が判決に不満を抱き、裁判を担当した判事を洋弓銃で襲った事件が題材だ。司法機関に対する批判的な視線が盛り込まれているため、俳優が出演を迷いそうな作品だが、主人公のキム・ギョンホ教授役を演じたアン・ソンギは作品が持つ政治的性格をあまり意識していないようだ。

 「この事件が与えた社会的影響などはよく分かりません。シナリオの構成が非常に良いと感じました。弱者が強者につぶされるという設定ですが、こういう設定は今の時代だけでなく以前からありましたし…。シナリオがうまくまとまっていたのが気に入りました」

 撮影中はシナリオに忠実な演技を心掛けようと努力した。過去の出演作では、自身が演じた人物に愛着を持ったり、ソフトでおもしろく見えるよう変化を加えたりしたが、あえてそのような工夫をしないよう努めた。
 努力が効を奏したのか、試写会終了後、彼の演技は好評を得た。「これまで演じたことのなかった役をうまく演じたという意味で良い評価を受けたようです」と言いつつも、すべては監督と共演者のおかげだったと謙遜(けんそん)する。

 一方、「ペースメーカー」では、主人公でマラソンのペースメーカー、チュ・マンホ(キム・ミョンミン)のやる気を奮い立たせる監督を演じた。目標達成のためなら手段を選ばない人物だ。マンホを中心に展開される物語を脇から支える役でもあるため表現にも限界があり、難しい役だったという。
 また、撮影では立ちっぱなしのシーンが多く、じっとしているよりはマンホのように走って体を動かしたいと感じたほどだという。昨年公開された映画「第7鉱区」では怪物と死闘を繰り広げる高難度のアクションシーンもこなし、体力には自信がある。
 「体力年齢は40代初めで実年齢より20年若いです。撮影のときは、マンホと一緒に走るシーンも入れてほしいと思いました。運動は1日おきにやっています」

 アン・ソンギは韓国を代表する映画俳優として、俳優業だけでなく映画と関係がある活動は精力的かつ情熱的に取り組んでいる。
 釜山国際映画祭副執行委員長をはじめ、全州国際映画祭、富川国際ファンタスティック映画祭、堤川国際音楽映画祭、DMZ国際ドキュメンタリー映画祭、釜山アジア短編映画祭など国内の主な映画祭の執行委員や組織委員として活動している。ほかにも、違法ダウンロード根絶キャンペーンの共同委員長、申栄均(シン・ヨンギュン)芸術文化財団理事長、環境運動連合広報大使、国連児童基金(ユニセフ)親善大使も務めている。
 「自分のための時間というものはありません。私ぐらいの年齢になると旅行に出掛けたりする余裕ができるでしょうが、私は数十年間、休まずに仕事する生活を続けてきたので自分だけの時間を持つことがなかなかできないのです」

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