ワークショップのようす
ワークショップのようす
少女時代」や「SHINee」などK-POPアーティストの振付師として注目を浴びる日本人ダンサー、仲宗根梨乃(ナカソネ・リノ/31)さん。沖縄県出身の彼女は19歳で渡米し、ブリトニー・スピアーズら有名アーティストのツアーに参加するなど、現地の最前線で活躍してきた知る人ぞ知るトップダンサーだ。1月中旬、K-POPイベントへの出演やワークショップ開催のため帰国した仲宗根さんに会った。

少女時代 の最新ニュースまとめ

 彼女は、世界的に大活躍するほどの実力を持ちながら、決して幼少時からダンスの英才教育を受けていたわけではない。
<b>-ダンスをはじめたきっかけは。</b>
物心ついたときからダンスが好きで、当時は完全に趣味でした。スクールにも通ったことはなく、ただ自己流にマイケル・ジャクソンの真似をしながら、部屋でガラスに映る自分自身を見て踊っていました。本格的なレッスンを始めたのは、アメリカに渡ってからです。

 自己流からスタートした…その枠にとらわれないものが、彼女の独創的なアイデアやスタイルを形成するのかもしれない。今でこそ、K-POPファンの間でも知名度は急上昇中だが、振付を担当することになったきっかけは意外なものだった。
<b>-K-POPアーティストの振付を担当することになったきっかけは。</b>
「SHINee」のデビューにあたり振付師を探していたらしいんです。わたしがアメリカのクラスで教えている風景が動画サイトにアップされていて、それを見た事務所の方からオファーをいただきました。

 1月15日に渋谷で行われたワークショップでは、小さな子どもから20代・30代まで、約50名の女性が参加した。スタジオに入ると、すぐに「梨乃ワールド」へ引き込まれていく。英語と沖縄方言を混ぜたユニークなレッスンに、1時間15分があっという間に過ぎた。
<b>-「SHINee」の「LUCIFER」の振付がファンの間でも大好評のようですね。</b>
SMエンタテインメント所属の振付師がオープニングからすべてを作りました。わたしはアシスタントとして参加しています。彼とはよくコラボレーションをしていて、相性もバッチリなんです。
<b>-「少女時代」の「GENIE」もその方との合作ですか。</b>
はい。わたしがアメリカから振付の映像を送って、彼がフォーメーションなどをアレンジしました。
<b>-レッスンは韓国語で?</b>
アメリカでずっと教えていたので、英語の方がラクなんです。日本語に優れたメンバーもいるので、細かい部分は日本語で教えることもあります。韓国語では「パクシゲ(めっちゃ強く)」や「サビジュセヨ(サビください)」などを混ぜて使います。1%は韓国語で頑張っています(笑)!

<b>-日本でも “美脚ダンス”が注目を浴びましたが。</b>
アメリカで活動していた自分に韓国から振付依頼が来て、それが日本でブームになるなんて…本当に驚いています。でも、エンターテインメントに携わる人間として、そこが面白いところだと感じています。素直に嬉しいです。

<b>-さまざまな国のアーティストを見てきた仲宗根さんですが、K-POP人気の理由は何だと考えますか。</b>
昔はマイケル・ジャクソンの「スリラー」のような、見ただけで覚えられる且つ迫力がある、そういうのがエンターテイナーだというところがありました。日本の安室奈美恵さんもそうでしたよね。彼女のファッションなどを真似る「アムラー」と呼ばれる女性たちが出現するほど、影響力が絶大でした。彼らのような「モデル」であることが人気の秘密だと思いますし、個人的にもそういうエンターテイナーが好きです。「憧れだけど、自分にもできてしまうかもしれない」、「この人に成りたい。真似したい」と思わせる部分が魅力なのではないでしょうか。そういう意味でも、K-POPアイドルは楽曲だけでは出せない、人を魅了するオーラがあると思います。

<b>-仲宗根さん自身の目標を教えてください。</b>
わたしの目標はマイケル・ジャクソンです。マイケルは最高のエンターテイナーだと思っています。マイケルのいい部分やエネルギーは、一ファンとして残していきたいと強く思いますし、自分なりにマイケルのDNAみたいなものを伝えていきたいです。

 今、アジアを中心にブームを巻き起こしているK-POPアーティストのダンスは、こうした陰で支える振付師やバックダンサーの力も大きい。仲宗根さんの存在も、ダンサーを夢見る若者に大きな「希望」を与えている。
<b>-日本のダンサーやダンサーを目指している方々へメッセージを。</b>
自分がそうだったように、各自の夢を叶えてくれる場所に行くことが一番です。わたしの場合は、沖縄ではできなかったことを「LA」が経験させてくれたと思っています。世界を見ることもとても大切ですし、刺激のある場所にいると自分も成長できます。目標に合った場所でいろいろなことを吸収してください。

 彼女の活躍は、単に「好きだから」、「趣味の延長で」というだけで成し遂げられることではない。そこには自身も気づかない努力や忍耐、才能、運、環境などすべてのものが揃っていたのだろう。沖縄からひとりアメリカへと飛んだ彼女が、日本人として大きな成果をあげたことには違いない。マイケル・ジャクソンを追い求め、そして今度は、彼女自身がそれを伝えていく番に来た。その過程で、「K-POP」というジャンルが彼女自身を母国へと引き寄せたのかもしれない。「今後、チャンスがあれば日本でも活動したい」と語る仲宗根さん。彼女の「想い」をここ日本で目にする日も近そうだ。

Copyrights(C)wowkorea.jp 0