李闘士男監督=(聯合ニュース)
李闘士男監督=(聯合ニュース)
「今まで演出した4本の映画すべてがハッピーエンドでした。韓国ドラマは恋人が死んだり血がつながっていると分かるなど悲劇が多いですが、わたしの映画にどんな反応があるか楽しみです」--。
 
映画『ボックス!』を引っさげ、李闘士男監督が<第14回富川国際ファンタスティック映画祭(PiFan)>を訪れた。聯合ニュースの取材に応じた李監督は、在日韓国人3世で韓国語は分からないと言いつつ、「分かる言葉もあるので、(適当なことを言わないように)気を付けてください」と冗談を飛ばした。

『ボックス!』は、ボクシングを通じ友情を確かめ合う二人の高校生の姿を軽快なタッチで温かく描いている。日本では5月に公開され40万人の観客を動員した。
 
原作の同名小説は複数の人物が物語が登場するが、映画ではやんちゃんな天才ボクサー・カブ(市原集人)と気弱な優等生ユウキ(高良健吾)という幼なじみの友情に焦点を当てた。団体競技ではなく1人で戦うボクシングなら、ほかのスポーツよりも友情をうまく表現できると考えたという。原作を読み、主人公が自分より友だちを助けようとするところが格好良いと思ったという李監督は「歳を取っても心さえあれば、いくらでも青春でいられる」と話した。
 
126分の作品の大半はボクシングシーンだ。李監督は「なぜこの選手が勝って負けるか、ボクシングに詳しい人にきとんと見せ、ボクシングを知らない女性にはこの選手がなぜ痛いかを知ってもらいたかった」と説明した。
 
インタビュー冒頭から「楽しくやりましょう」と話した李監督は、終始笑顔で答えた。その明るさが映画にも反映されているようだった。「観客が映画を見て、元気をもらってくれれば。それが映画の力です」と李監督。また、映画を通じ、人間がなぜこんなに愛すべきものですばれしいものなのかを見せたいと語る。「人を信じる人は、わたしの映画が好きなはず」だと。
 
李監督は、1990年代にはテレビのバラエティー番組を演出した異色の経歴を持っている。2004年に『お父さんのバックドロップ』で映画監督デビューし、2008年には『デトロイト・メタル・シティ』をヒットさせた。
 
今後の作品計画について尋ねると、「多すぎてこの場では答えられない」との答えが。昭和天皇と弟を素材にした作品も構想しているが、日本の資本では難しいだろうと笑った。

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