講演するホン・ソクチョン=28日、ソウル(聯合ニュース)
講演するホン・ソクチョン=28日、ソウル(聯合ニュース)
韓国芸能人で初めて同性愛者であることをカミングアウトしたタレントのホン・ソクチョンが28日、駐韓米国大使館で開かれた同性愛者人権懇談会に招かれ講演した。

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 米国では6月はゲイプライド月間とされている。先月末にオバマ大統領がプライド月間を宣言したことを受け、米国外交官4人による大使館の同性愛者の会(GLIFAA)が懇談会を主催し、人権団体と駐韓米国大使館の関係者約100人が出席した。

 同性愛者ということだけで無視されるのが何よりも嫌で、2000年にカミングアウトから10年間、生き残るために必死だったと振り返ったホン・ソクチョンは、カミングアウトを決心したきっかけとその後の変化、今後の計画について話した。

 寝ずに働くことに慣れたため、不眠症にワーカホリック(仕事中毒)症状もあるという。韓国で同性愛者が認められるには、異性愛者の10倍頑張らなければならない、同じ生活をしては認めてもらえないと語った。

 カミングアウト前は自分がゲイということを恥ずかしく思い隠していたが、オランダ人男性との出会いで誇りを取り戻し、自分も美しい人間なのだということに気づき、別れた後にカミングアウトを決意したという。

 ホン・ソクチョンは2000年9月に自ら同性愛者と明らかにし、社会的な論争を呼んだ。出演中だったすべてのテレビ番組から降板し、厳しい時期を過ごすことになる。当時は韓国で暮らすのが怖く、不当解雇で弁護士にアドバイスを受けたこともあった。弁護士に訴訟を勧められたが、韓国でどれほど敏感な問題かはよく分かっていたし、テレビ局の人々に迷惑をかけたくないと、訴訟は諦めた。

 その後は実業家として成功を収め、テレビへの復帰も果たした。また、性的少数者の立場を代弁する社会運動家としても活動している。

 なぜカミングアウトを選択したかという質問に、ホン・ソクチョンは「幸せになりたかったから」と答えた。歳を尋ねられるときには、10歳だと答えるという。10年前のカミングアウトで、生まれ変わったと思っているからだ。

 「1度もカミングアウトを後悔したことはありません。うそをつく必要がなくなり、幸せでした。数多くの困難を克服する力になったのが、カミングアウトでした。10年前と同じ機会が与えられたら、またカミングアウトするでしょう」。

 今後は韓国の性的少数者が与えられた人権を享受して生きられるよう、力を尽くしたいと意欲を示した。韓国でも同性愛者が登場するドラマが放送されるなど、最近のメディアを見ていると、一般国民の見方がオープンになったように思うとかたった。しかし、政府レベルで発展すべき部分は依然多いとし、職場での同性愛者に対する差別行為の禁止、同性愛者人権団団体への政府支援などを呼びかけた。政治家に心を開いてほしいが、難しいならば自身が政治に飛び込むことも考えていると明かした。バッシングに鍛えられた自分なら耐えられるだろうと笑った。



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