クァク監督=7日、ソウル(聯合ニュース)
クァク監督=7日、ソウル(聯合ニュース)
2001年に800万人を動員したヒット映画『友へ チング』を8年ぶりに再び全20話のドラマ『チング~愛と友情の絆~』でリメークするクァク・キョンテク監督の心中は、複雑でありながらも単純だった。

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 「いくらやってもうまくいかないから自分が昔手がけたもので金を儲けようとする、という批判もあり得ると覚悟はしていました。しかし、そんな批判を受けてでも自分がやったほうがいいと思いました。逃げたくありませんでした」。なぜ、ヒット映画を自らドラマでリメークするのかという質問に返ってきた答えは、このように率直であっさりとしていた。続いて強烈なパンチが飛んできた。「とりあえず食べていかなければならない状況だったため、ドラマの提案があった時に迷わずOKと答えました」。

 雄弁なクァク監督は健在だった。たくましい外見のように打たれ強く、どんな質問にも顔色を変えずすらすら答えた。もちろん、自分の映画を自らドラマでリメークすることへの重圧は大きかった。2時間の映画を全20話のドラマに制作するには、映画以外の新しい物語を取り入れなければならないが、それを一体だれに任せるのか。物語が頭の中から湧き出てくるというのに自らメガホンを取らないとすれば、まるで逃げ出すような気がしたのだ。

 映画『友へ チング』の後、制作会社を設立したクァク監督は、『チャンピオン』『タイフーン TYPHOON』『愛 サラン』などを手がけ関心を集めたものの、話題性に比べると手元に入ってくる金はないに等しかった。2007年公開の『愛 サラン』は興行ランキング1位を記録したりもしたが、クァク監督自身は赤字だった。今後の見通しが立たない、その解決方法はただ一つ、市場を広げ、少なくとも日本市場までは通用できる物語をつくることだった。食べていくため、さまざまな海外合作プロジェクトを推進する中、日本側関係者から『友へ チング』をリメークし韓流ブームを巻き起こそうと提案された。主演候補として6人のスターを挙げ、1人だけでもキャスティングできたら投資するとの提案だった。

 その1人がヒョンビンで、こうしてドラマ『チング~愛と友情の絆~』は誕生した。78億ウォン(約5億8000万円)の制作費のうち60億ウォンは日本から投資され、MBCが10億ウォンを出すなど、ドラマの制作費はすでに確保できている。版権を放送局に渡していないため、これから稼ぐ分はすべて収益となる。

 しかし、クァク監督は満足できずにいる。4話までの視聴率が8~9%と予想より低いためだ。率直に言って15%は期待していた。今でも口に上る物語だし、テレビ用に合わせて修正し、完成度にも自信があった。しかし、映画とテレビの差は思った以上だった。映像がどんなに良くても視聴者にはストーリが最も重要で、また、チャンネルの選択権が男性より女性にある事実などを改めて実感した。初回の視聴率をみて、あまりのショックに気が狂いそうだった。それでも、最初から力が抜けてはならないと考えた。とにかく最後までベストを尽くし、『チング~愛と友情の絆~』が非常にいいドラマであることを伝えたいのだという。

 このドラマは当初、映画とオーバーラップする部分が多かったため「差別化できていない」と指摘された。また、暴力性を理由にMBCで「19歳以上観覧可」判定を受け、昼時間の再放送もできない。これに対しクァク監督は、暴力団の世界を描く最初だけが過激だったと説明。これからは主人公らの高校時代の思い出を追うため、明るくおもしろいはずで、ノスタルジックで、コミカルな要素も多いと語った。

 それでは、クァク監督はこれでもう、『友へ チング』の話はすべて語り尽くしたのだろうか。
 「2世の話があるじゃないですか。冗談です(笑)。今回で十分満足しています。ただ、助演キャラクターに関心が出てきました。もしも後々チャンスがあるなら、肩の力を抜き、彼らを主人公にしたスピンオフ作品をつくってもおもしろいかなと考えたことはあります」。
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