キム・ヘジャ(右)とウォンビン=27日、ソウル(聯合ニュース)
キム・ヘジャ(右)とウォンビン=27日、ソウル(聯合ニュース)
”国民の母”女優キム・ヘジャが、映画『マザー』で10年ぶりにスクリーンに姿を現した。この間映画出演を固辞してきた彼女だが、ポン・ジュノ監督の手による「母」を演じることは快く決め、ドラマで見せてきた感性あふれる母親像とはまた異なる姿を見せるために「わたしを存分に苦しめてほしい」と監督に注文したほどだ。

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 キム・ヘジャは27日、来月14日の封切りに先立ち開かれた制作報告会で、「新たな経験だった」としてポン監督への賛辞を惜しまなかった。「しんどいという感覚は撮影を終えて宿に到着した時こそあれ、撮影中は全く感じなかった。ポン監督はわたしが思いつきもしなかったことや表現が足りない部分を見つけ出し、話してくれた。わたしの中で眠っていた、死んでいた細胞をノックして起こしてくださった」。

 劇中のキム・ヘジャは、いつまでも分別のない息子ドジュン(ウォンビン)のために気苦労のたえない母親で、殺人事件の犯人として追いつめられたドジュンのために奔走する。画面を通じ誰もがよく知るキム・ヘジャだが、それでもまた別の面を見せてくれるのはないかという期待が観客にあることも彼女は知っており、この映画はそうした期待に応えられるものだと感じている。
 ポン監督は昔からキム・ヘジャにほれこんでおり、彼女を主演とする映画の構想を長年温め続けてきた。『マザー』は2003年に『殺人の記憶』を終えたころ思いついた作品。キム・ヘジャは5年前からポン監督の話を聞いていたせいか、撮影を開始した時点ですでに撮影を終えたような気持ちさえしたという。

 一方、この作品がカンヌ国際映画祭のコンペティション部門に進出できなかったことには、残念に思う気持ちがあったと本音を明かした。それでも、「よく考えてみると、もともと『競争』を好まないたちだ。神様も気をもまないようにと、(カンヌ映画祭の)「ある視点」部門に回してくれたんだなと考えた」と笑いながら語った。

 息子役のウォンビンに対しては、「第一印象がきれいでまっすぐに見える青年だった。口数は多くないが、礼儀正しい」との言葉。
 そのウォンビンは、これが軍除隊後のスクリーン初登場となる。「人生でこの作品を逃してはならないという気がした。今は胸がぐっとする感じ」と現在の心境を伝えた。キム・ヘジャを「本当のお母さんという感じがした。心から愛してくれた」と言いながら、撮影中は監督とこの母のおかげで幸せで現場に行くのが毎日楽しかったと、感謝の言葉を口にした。
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