『笑の大学』上演で訪韓した三谷幸喜氏=24日、ソウル(聯合)
『笑の大学』上演で訪韓した三谷幸喜氏=24日、ソウル(聯合)
日本の人気劇作家、三谷幸喜氏の演劇作品『笑の大学』が韓国国内で上演される。“笑いの錬金術師”と呼ばれる三谷氏の作で初監督作品ともなった映画『ラヂオの時間』は、『ウェルカム・ミスター・マクドナルド』のタイトルで韓国でも封切られ人気を集めた。来月には『ザ・マジックアワー』の封切も控えている。24日に『笑の大学』制作発表会に出席した三谷氏に、大学路のカフェで話を聞いた。

以下は一問一答。

―韓国訪問は初めてか。
初めてだ。『笑の大学』という作品がわたしの手を離れどのように育つか見守ることは重要だと思い、訪問した。

―喜劇だけを書いているが、自身にとって“笑い”とは何か。
もともと喜劇作家なので、笑いのないものは書かない。演出の基準もどうすれば皆を笑わせることができるかだ。それほどわたしにとって笑いというのは大変重要なものだ。結局、人間は人間を見て笑うしかない。わたしの喜劇は人間を描く作品だとも言える。

―韓国ではコメディを低く見る傾向がある。良い演劇とは何だと考えるか。
日本にも喜劇を軽視する傾向はある。わたしが考える良い喜劇は、笑っても笑ってもきりがない、見ている間、本当に楽しめる作品だ。昨晩、ホテルの部屋で韓国のバラエティ番組を見たが、言葉は分からなくても面白いということは感じることができた。意味は分からなくても笑いが人を気持ちよくさせるというところに、喜劇の意味があると思う。そんな喜劇の地位を高めたい。

―演劇を手がけるとき、大衆性と芸術性のバランスをどう取るか。
個人的に、演劇人に芸術性は必要ないと考えている。韓国と同様に日本でも演劇の観客数は徐々に減っているが、観客がもっと増えて演劇の世界が広がることを願っている。そのためには芸術性などは障害にしかならないと考える。

―『笑の大学』を通じて伝えたいことは。
本当に書きたかったのは作家の闘争、戦いだ。作家が作品を書くとき、スポンサーやプロデューサーなど周囲と戦わなければならないことが多く、そうした状況に合わせて自身の作品を書いていかなければならない。ここに登場する作家は、わたしが理想とする作家の姿だ。

―『笑の大学』というタイトルをつけた理由は。
2人の登場人物が笑いについて互いに学んでいく過程を描く内容なので、このタイトルをつけた。また、1940年代に日本に<笑いの王国>という劇団が実際に存在した。

―日本の笑いが韓国でも通じると考えるか。
この作品は本来日本人向けに書いたものなので、原作では日本語特有の言葉遊びが多い。韓国公演に向け、韓国語に変えても意味が通じるよう、そうした部分の多くをカットし修正した。韓国で披露する『笑の大学』は新バージョンだと考える。次は韓国人だけを笑わせる作品を書いてみたい。
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