『玄界灘は知っている』のポスター(ヤンヘナムコレクション提供)=3日、ソウル(聯合)
『玄界灘は知っている』のポスター(ヤンヘナムコレクション提供)=3日、ソウル(聯合)
奇怪な雰囲気、感覚的な映像、細密な心理描写で独特の映画世界を構築した故キム・ギヨン監督の10周忌を迎え、キム監督の全作品を上映する企画展が開催される。
 
韓国映像資料院は来月20~29日にソウル・上岩洞のシネマテクKOFAで、キム監督の32作品のうち失われた9作品を除く23作品を無料で上映する<キム・ギヨン全作展>を開く。開幕作品として、マーティン・スコセッシ監督率いる世界映画基金(WCF)の後援で、<第61回カンヌ国際映画祭>のカンヌ・クラシック・プログラムで初めて公開された映画『下女』(1960年)の復元版が上映される。

 「ヌミ」(1979年)はオリジナルフィルムが失われ新たに復元されたネガフィルムで上映され、昨年プリントを複写した「自由乙女」(1982年)、キム監督の遺作で未公開作の「死んでもいい経験」(1990年)が初めて観客に披露される。また、キム監督が多額の制作費を投じた「玄界灘は知っている」(1961年)や「下女」の成功を追い風に制作された「火女」(1971年)、「蟲女」(1972年)も上映される。

 併せて10周忌記念行事が開催される。キム・ビョンウク監督の「映画監督キム・ギヨン」(1997年)、キム・ホンジュン監督の「監督ら、キム・ギヨンを語る」など後輩らのドキュメンタリー作品が紹介されるほか、キム監督作品に出演した女優の座談会、ボン・ジュノ監督がキム監督の映画について語る特別行事も予定する。

 映像資料院関係者は、「これまでキム監督の作品が映画祭で上映されたことはあるが、1か所で全作品を見られる機会はなかった。有名な作品だけでなく、あまり知られていない作品まですべて上映されることに意味がある」と話している。
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