デスノートの力を借り、キラの名で凶悪犯を駆逐していく夜神月(やがみライト)と、事件を食い止めようとした名探偵、L(エル)の壮絶な頭脳戦を描き、日本だけでなく韓国、台湾、香港、シンガポールなどで大ヒットした『DEATH NOTE(デスノート)』シリーズ。松山ケンイチ(22)演じるLにスポットを当てたスピンオフ作品『L change the WorLd』(韓国公開タイトル『デスノートL』)が、21日に国内で封切られる。映画への期待の大きさを表わすかのように、プロモーションのため1日にソウルを訪れた松山は大勢のファンの出迎えを受けた。「韓国にこんなに自分を知っている人がいることに驚いた」と快活に笑う松山に、独特のオーラをまとったLの面影はない。
 
しかしそれだけに、Lの役作りには苦労も多かったようだ。「Lの見せ方については監督と話し合いを重ねました。言葉に感情をのせないようにするとか、L独特の“間”で話すようにするとか」。『DEATH NOTE』と続編の『L change the WorLd』ではあまり内面を見せなかったLだが、今回は内面や感情を表現するシーンも多く、「どこまで表現するのか」をよく考えたという。インタビューの間も、「Lはこう考えただろう」「Lはこう感じていたと思う」などという言葉が頻繁に聞かれ、キャラクターを理解しようとした努力をうかがわせた。

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『L change the WorLd』では、キラと同じく「理想社会のため」という大義名分の下、大量殺人を企てるテロ一味にLが挑む。映画『リング』『仄暗い水の底から』などを手がけた中田秀夫監督がメガホンを取った。「『DEATH NOTE』でLは命を賭して事件を解決しますが、まだ命の重さには気づいていなかったと思うんです。それが、最も信頼するワタリ(藤村俊二)の死によって、命の重さや、自分がこれまでやってきたことは本当に正義だったのかということを考えるようになるんですね」。そうして2人の子どもと一緒に社会に出て行くLを通じ、「1人の人間が社会とどう付き合っていくか」を描いた、人間性を感じられる作品だと紹介した。

『DEATH NOTE』が、日本や韓国、アジア諸国で軒並み興行1位を記録するほどヒットした理由はどこにあったのだろう。「海外で人気が出た理由は分かりませんが…日本ではサスペンス映画が少ないということや、1対1の頭脳戦というテーマが珍しかった点が人気を呼んだのではないでしょうか。キャラクターの持つ“暗い部分”が、見る人に共感を与えたという点も理由のひとつかも」

Lの個性が強いため、そのイメージが強く染み付いてしまうのでは、との質問には「それは役者として当然乗り越えるべき壁。次の作品で自分をどう魅力的に表現していくかが大切だと思います」との答えが返ってきた。『DEATH NOTE』出演以来オファーが増えたが、これから自分にとって魅力的な役を探し、演じていきたいという松山。「Lは外の世界に出て大切なものを探しますが、自分も社会の大切なことから目をそらさずに生きていきたいですね」と目標を語った。
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