SBSドラマ『恋人』
SBSドラマ『恋人』
映画『約束』をドラマ化したSBSドラマ『恋人』は、主人公が4人という点が映画とは異なる。いや、主人公が4人というよりは四角関係が登場するという点が、映画とは異なるというのが正確な表現だろう。制作陣はこのような設定で、原作よりも恋愛に対する男女間の微妙な感情を際立たせる意図だったという。

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『恋人』には、ガンジェ(イ・ソジン)、ミジュ(キム・ジョンウン)、セヨン(チョン・チャン)、ユジン(キム・ギュリ)という4人の男女が登場する。ガンジェには長く付き合った恋人ユジンがおり、ミジュはセヨンとお見合いをした仲で2人の間に若干の感情は芽生えるが、結局ガンジェとミジュの間に恋愛感情が生まれる。ガンジェ、ユジン、ミジュの三角関係による葛藤が生まれ、相対的にセヨンというキャラクターは存在感が薄まるしかない。

キャラクターやストーリー展開からは、発展があったという評価を得た『ファンタスティック・カップル』にも4人の男女が登場する。しかしこのドラマもまた、記憶喪失前のアンナ・チョ(ハン・イェスル)の夫ビリー・パク(キム・ソンミン)と記憶がない時に恋に落ちたチャン・チョルス(オ・ジホ)が登場する。オ・ユギョン(パク・ハンビョル)がチャン・チョルスの元恋人として四角関係を形成したが、他の3人に比べるとその存在感は薄かった。

2本のドラマから見てとれるように、わざわざ四角関係にしなくてもいいにも関わらず、最近のドラマには四角関係が必須のように登場する。国内ドラマで四角関係が作られたのは“ありきたりの三角関係から抜け出すため”だった。

“男1人に女が2人”式の三角関係がありふれた1980~90年代ドラマと差別化を図るために始まった四角関係は、最初は新鮮だった。四角関係が登場しヒットを生んだ作品は、SBS『バリでの出来事』。しかしこのドラマは、単純に4人の男女の愛情関係だけで面白かったのではない。4人の男女の利己的な愛が生んだ葛藤が、悲劇として終結する恋愛心理劇だったために、大きな成功を収めることができたドラマなのだ。こうして、『バリでの出来事』以降作られたトレンディードラマには、四角関係が登場するのが当たり前となった。

毎回、新しい四角関係を作ろうとするため、結婚した男女の四角関係も数多く登場する。コミカルなストーリー展開で人気を博した『帰っておいで、スネさん』も、実際には不倫を扱ったドラマ。MBC『90日、愛する時間』も、余命いくばくもない男が、初恋の相手と限られた日々を過ごすという内容だが、両主人公は家庭がある設定だ。

「韓国ドラマは設定と人物だけが違い、それ以外は全部同じ」という海外視聴者のきつい非難に油を注ぐのが、こういった四角関係だ。4人の主人公が登場すると言っても、事実上2人が主人公で、残りの2人は常に準助演級に終わるのもこのため。2人だけが主人公になって美しい愛を描くドラマが作られたら、これも新しいトレンドになるはずだ。

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<b>『恋人』イ・ソジン “視聴者の恋人”に</b>

SBSドラマ『恋人』(脚本:キム・ウンスク/演出:シン・ウチョル)のイ・ソジン(33)が、“視聴者の恋人”になった。
去る6日に第9話が放送され、ストーリーも中盤に入った『恋人』は、イ・ソジン、キム・ジョンウン、キム・ギュリの三角関係が頂点に達し、視聴者に愛されている。特に、この三角関係の鍵を握っているイ・ソジンの、心の内を表現できない切ない眼差しの演技が、人気の原動力として挙げられている。

第9話の放送直後の『恋人』のホームページ掲示板は、“イ・ソジン一色”だった。
「一言で言うと、表情、声、眼差し、すべての面で、あなたは最高の俳優です」「イ・ソジン… 今や最高の俳優という修飾語がふさわしいです」「イ・ソジンさんの、人を惹きつける演技に脱帽!」など、全員イ・ソジンの演技にハマってしまったという内容ばかりである。

ドラマ序盤、イ・ソジンは、『恋人』の原作である映画『約束』の主役パク・シニャンに比べ、カリスマ性が落ちるという評価を得てきた。不遇な環境で育った、寡黙で冷たいヤクザのボスガンジェ役に、イ・ソジンでは役不足という声も挙がった。どこか似合わない服を着たようだった。

しかし、話が進むにつれてイ・ソジンは、ガンジェを自身のキャラクターとして作っていき、視聴者のこれまでの評価を払拭することに成功した。脚本作家キム・ウンスクの胸を打つセリフと、相手役のキム・ジョンウンの安定した演技が力となり、イ・ソジン式“ガンジェ”は、それ自体がもう1つの魅力的なキャラクターとして誕生した。その結果、キャスティングの過程ではキム・ジョンウンの人気に埋もれた彼が、現在はさらに話題と人気を博している。

写真出処=SBS


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