ドラマ『バリでの出来事』、映画『ラブストーリー』『マドレーヌ』などで日本でも人気の俳優チョ・インソン主演の新作映画、『卑劣な通り』が15日、国内で公開される。日本人向け特別試写会も行われることで話題を呼んだ。

チョ・インソン の最新ニュースまとめ

二枚目というだけの“花美男”俳優のイメージから脱皮し、三流やくざのビョンドゥを演じるチョ・インソン。これまでの出演映画は興行的に成功したとは言えず、「これという結果がなく切迫した時期だった」と当時の心境を語る。メガホンを取ったユハ監督は、チョ・インソンに初めて会った時、優しくいい人そうに見えてどこか影のある目をしている二面性を感じたことが、キャスティングの決め手となったと話した。出演作が成功しなかった点もかえって決定的なポイントとなったという。ハングリー精神があるはずと考えたからだ。

撮影に取り組んだ1年余りの間、チョ・インソンは激しく悩んだ。真っ先に浮かんだのは、自分が果たしてやくざに見えるか?という恐れだった。ドラマでは裕福な家庭の息子を演じていた自分が、人生に挫折したやくざになり切れるのか自身がなかったという。しかし、「いかにもという見た目の人が演じても意味がない。お前のような役者が演じるからこそ、観客がついてくるのだ」という監督のアドバイスで自信感がついた。また、実際にも決して裕福な家庭で育ったわけではないチョさんは、「役者は基本的に自分の中にある姿を見せるもの。ビョンドゥと自分は似た人生と考え方をしている」と話す。

劇中には激しいアクションシーンも登場する。実際に車の窓ガラスを割ったり殴られるシーンも体当たりで演じた。最後まで妥協せずに行こうと監督に願い出たものの、あまりに激しいアクションシーンの連続に、「今回くらいは妥協してくれてもいいのにと思ったこともあります」と笑った。

先輩をも裏切る卑劣なやくざだがそこまでする理由は何なのか、観客の共感を得るため、ビョンドゥの人間性にも気遣い演じたという。時には卑劣で、時には誰よりも純粋なビョンドゥ。やくざとは言え普通の人間と何も変わらないということを感じさせるところが、既存のやくざ映画とは異なると説明する。

チョ・インソンはまた、ビョンドゥと出会ったことで撮影中「果たして自分は人生をまともに生きているだろうか?」と自問自答をしたと明かした。「俳優、スターにはなったけれど、果たして人間らしく生きているのかとずっと悩んでいました。次第に寂しさも感じて、いつも誰かの愛情を求めていましたね」と振り返る。やがて多くの先輩や仲間に会い、誰もが同じような悩みを持っていることを知り、彼らの心に触れたようだったという。「人と触れ合うのが好きですね。撮影が終わったら、出演者たちを家に呼んでお酒を飲んだりしていました。同じ悩みを持つ人間同士、とても楽しいんです」

25歳のチョ・インソンが、29歳の微妙な年齢を演じ切った。この年齢が演じられたら、もっと様々な物語に出会えるだろうと思ったという。今後はさらに重要な任務も安心して任せられる俳優になったようだ。

Copyright 2006(C)YONHAPNEWS. All rights reserved.


Copyright 2006(C)YONHAPNEWS. All rights reserved. 0