なぜチョ・インソンは血を見ると吐いて痙攣を起こすのだろうか。なぜコ・ヒョンジョンは、長い間話すことをやめていたのだろうか。リストカットで自殺した女性の死体を目撃したチョ・インソン。幼いころ別れた母、自分を見分けられない母、彼女の幸せな姿に比べ、惨めな自分の姿。それでも夢見ていたピアノを諦めなければならなかったコ・ヒョンジョン。二人とも、幼少時に辛い経験をしている。

コ・ヒョンジョン の最新ニュースまとめ

チョ・インソンとコ・ヒョンジョンは、幼い頃に大きな精神的ショックを受けている。このようにひどいショックで、言語障害や深刻な肉体的障害が起きる現象を、外傷後ストレス、またはトラウマという。

コ・ヒョンジョンは、チ・ジニの暖かい配慮と愛情でやっと言葉を発することができた。コ・ヒョンジョンに加えられた精神的ショックは、その部分の不足からくるものであった。

一方、チョ・インソンは、コ・ヒョンジョンに、恐怖のため、ケガ人の所へ行くことができない“子供”あることがばれる。

コ・ヒョンジョンは、“子供”の医者に腹を立て、患者の所へ行くように仕向ける。このような構図を見ると、コ・ヒョンジョンの配慮と導きによって彼は良い医者になれるように思われる。

しかし一つ考えるべきことは、チョ・インソンが血を流す患者を恐れるのは、ただ死体を目撃したことによるショックだけでなく、父親に関するトラウマとも関係があるということだ。


チョ・インソンは、父親に、血を流す患者の所には行きたくないと話したことがある。患者を見ると、自分が患者を先に殺してしまうかもしれないと思うからである。つまり、血を流しつつ自殺した死体を見たからである。だが、ここで大事なのは、父親が医療ミスで患者を死なせたという事実を指摘し、問い詰めた場面である。

父親がミスで患者を死なせた場面をありありと覚えているチョ・インソンは、自分も患者を血を流して死なせ得ると考える。一種のファザーコンプレックスの逆転現象である。父に打ち勝つのでなく、自分より優れた父も、ミスで人を死なせるという事実に絶望しているのだ。

このような点は、フロイトのエディプスコンプレックスでは説明できない部分である。これは結局チョ・インソンの嘔吐・異常反応は、個人の脆弱な性格に、強烈な二つのトラウマのためと言える。

結局ドラマのストーリー展開上、チョ・インソンがトラウマを克服するためには、父親とコ・ヒョンジョン二人の助けが必要となる。現実においてこのような人物が存在したら、男らしくないと叱ったり、卑怯だと非難するだろう。

よく、男たちは男性コンプレックスに苛まれているという。この社会にはまだたくさんの偏見と誤解が存在する。これを反映するかのように、劇中で父親はいつもチョ・インソンを叱るばかりである。

コ・ヒョンジョンがこれを庇うとしたら、チョ・インソンは、コ・ヒョンジョンに惹かれ、恋につながる可能性が高い。

よく、性格障害や、心理障害を深刻な病気と考えたり、もしくは大したものでないと考えたりする。しかし多くの場合そのような行動をするきっかけとなった経験的なトラウマが存在する。また、我々は、誰でもこのような精神的苦痛を受けており、それは卑怯だとか異常ではない。

それは精神病ではなく、必ずしも医者を必要とするものではない。周囲の関心と配慮、そして愛情によって解消するということが大事なのである。しかしこれ無くしては、原因も知らずに個人の心を理解できず、むしろ症状を悪化させることになり兼ねない。

チョ・インソンとコ・ヒョンジョンはトラウマという共通点によって親しくならざるを得ないように思われる。

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