日韓首脳会談で韓国と日本の関係が転換点を迎えたことについて、中国共産党メディアがけん制に乗り出した。

 中国共産党機関紙、人民日報系列の環球時報と英字紙チャイナ・デイリーは18日、それぞれ紙面とオンライン版に日韓関係改善を批判的に評価する中国内の専門家の見解を掲載した。

 中国国際問題研究院アジア太平洋研究所の招聘(しょうへい)研究員であるシャン・ハオウェイ氏は、「日韓の雪解けは潜在的な問題を残した」と題された環球時報のコラムで、最近の日韓関係改善が「両国の右派保守勢力間の講和」であり、「一時的かつ部分的な緊張緩和で、和解からは程遠い」と主張した。

 そして、日韓が首脳会談を通じて、安保対話の再開や軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の完全な正常化などに合意したことについて、「日韓は軍事協力を強化することで、両国関係の未来発展や地域情勢に多くの潜在的な問題を残した」と述べた。

 また、日韓関係の改善を通じた日米韓安保協力は陣営の対立を深化させることになり、3者間ミサイル防衛(MD)協力の強化、拡張抑制交渉推進などが北朝鮮の核保有の決意をさらに刺激し、朝鮮半島の情勢が悪化する恐れがあると、シャン氏は主張した。

 一方、南海大学日本研究所のイン・シャオリ教授はチャイナ・デイリーとのインタビューで、日韓の妥協が「歴史に対する日本右翼勢力の挑発を黙認し、日本が戦後体制から脱皮するのに役立つだろう」と見通した。

 イン教授は「韓国は日本と一時的な緊張緩和を成し遂げるだろうが、それが長期的な歴史的和解につながるわけではない。今後、政権が変われば合意が覆され日韓関係が悪化する恐れがある」と主張した。

 また、日韓の和解が「アジア版NATO(北大西洋条約機構)とチップ4(日・米・韓・台湾の半導体サプライチェーン協議体)同盟を促進し、中国封鎖を目的とした米国のインド・平洋戦略に貢献するだろう」と述べた。

 同じメディアでインタビュー受けた南京大学国際関係研究所のリュリタオ助教授は、今回の日韓和解の背景について、韓国最高裁の元徴用工賠償判決に対する日本の報復措置が韓国経済に与えた打撃を取り上げた。

 日本が半導体関連の一部部品輸出を統制したことが韓国企業に損失を与えた。それで、韓国は被害がさらに大きくなることを避けるために、日本と妥協する必要があったと分析した。

 また、韓国がウクライナ戦争を見て北朝鮮の脅威に対処し、安保同盟を強化する必要性を感じたことも、日本との和解を促した要因の一つだと主張した。
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