ソウルシティーツアーのバスと乗り場(資料写真)=(聯合ニュース)
ソウルシティーツアーのバスと乗り場(資料写真)=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国のソウル市は15日、新型コロナウイルス禍で停滞していた旅行・観光の再開を受け、外国人観光客の誘致と経済立て直しに向けた5カ年の「ソウル観光活性化計画(2022~26年)」を発表した。これまでのソウル観光はショッピングが中心だったが、漢江や山歩きコース、旧大統領府の青瓦台、光化門広場など市中心部のスポットを活用したコンテンツを充実させ、韓流ブームで注目を集める美容やグルメ、ファッションなどに特化した商品開発にも取り組む。  ソウル市は26年までの目標として外国人観光客を年間2800万人誘致し、さらには「3000万人観光都市」への発展を目指すとした。これに向け、観光の専門家と現場からさまざまな意見を吸い上げ、今回の5カ年計画に反映させた。 市は大きく4分野の施策を掲げた。まずは観光コンテンツの拡充へ集中的に投資する。漢江での花火大会を「ソウルフェスタ」などの主要観光イベントと組み合わせて規模を拡大し、新たにドローン(小型無人機)ショーを開催する。漢江沿いでの大規模ヨガイベントと夜景ツアー、水上レクリエーションスポーツを楽しめるイベントも開催する計画だ。長期的には漢江に夕日スポットと関連インフラを設ける事業を推進する。 また、大都会での山歩きという目新しい観光コンテンツの開発を進める。青瓦台公開によりアクセスが良くなった北岳山・仁王山と北漢山を中心にコースを組む計画だ。 ソウルの夜を楽しむ観光需要も多いと見込まれる。熱気球に乗って夜景を眺める体験場を設置し、夜に青瓦台や光化門広場などを巡るバイクコースや、解説付きで観光スポットを歩いて回るツアー、グルメツアーなどの企画を立てる。 美容、グルメ、ファッション分野の体験型観光商品を開発するほか、海外の高所得層を対象にしたプレミアム観光産業の育成に乗り出す。 市は続いて重点分野に、最先端のMICE(国際会議、報奨旅行、展示会などの総称)環境の構築を挙げた。実際の展示・コンベンションセンターにメタバース(インターネット上の仮想空間)を取り込み、デジタル化、ハイブリッド化したエコシステム(生態系)を生み出す。高付加価値の観光産業とされるMICEの競争力を引き上げるため、関連企業とスタートアップ、人材の育成に注力する。 さらに、若者の個人旅行を後押しするためのデジタル観光環境の革新と、持続可能な高品質のソウル観光に向けた環境づくりにも重点的に取り組む。 市のチェ・ギョンジュ観光体育局長は「ここ数年の間にネットメディアを通じ韓流コンテンツが躍進し、海外で韓国とソウルに対する関心が広がる契機になった」とし、「これを最大限活用し、ソウル観光のエコシステムの回復を図り、世界トップ5都市に位置付けられるようにする」と述べた。
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