武漢ワクチン未開発…セリードがブースター接種の開発に乗り出した理由 = 韓国(画像提供:wowkorea)
武漢ワクチン未開発…セリードがブースター接種の開発に乗り出した理由 = 韓国(画像提供:wowkorea)
セリードがオミクロンに対応するブースターショット(追加接種)の臨床に突入した。中国の武漢で初めて見つかった新型コロナウイルスの原型に対応するワクチンを開発。今後ブースターショットを開発する他社とは異なる選択だ。ブースターショットと1回目のワクチンのターゲットとなる市場が異なるだけに、武漢で発見されたウイルスとオミクロン株に対応するワクチンを同時開発するというのが会社側の見解だ。

 4日、セリードは、食品医薬品安全処から「AdCLD-CoV19-1OMI」の臨床第一相・第二相試験計画の承認を受けた。

 セルリードの関係者は「現在臨床中の『CoV19-1』の場合、1回目のワクチン接種者のためのもので、開発が完了すれば東南アジアやアフリカなど中低所得国を中心に供給される。今回臨床計画の承認を受けた『CoV19-1OMI』の場合、ブースターショットの目的で国内外の1回目のワクチン接種を終えた人を対象にするため、市場が異なる」と説明した。

 セルリードが開発中の新型コロナウイルスワクチンは、ウイルスの表面抗原遺伝子をアデノウイルス鋳型に入れて製造したウイルスベクトルワクチンだ。今回、臨床計画の承認を受けたCoV19-1OMIは、CoV19-1から抗原が交換され、今後の臨床で投薬容量などが決まるという違いがある。ネズミと猿を対象に行われた臨床試験で、オミクロン株の悪種BA.1とBA.2についての結果値として食品医薬品安全処に申請した。

 セルリードが先に開発中だった武漢ウイルスに対応する「CoV19-1」は最近、国内の臨床2b相試験で投薬を開始した。海外での臨床は国際ワクチン研究所と進めている。「CoV19-1」は国内に導入されたこともあるジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)のヤンセンワクチンのように単数接種ワクチンだ。ただ、今回の2b相試験ではブースターショットの効能を確認するため、単数と複数を同時進行する。

 臨床2b相試験の中間結果値は、年内に出る見込みだ。他社の中には、臨床2相試験の中間値で緊急使用承認を申請したりもしている。ただ、すでにウイルスの原型に対するワクチンは、様々な選択権があるだけに、セリードと食品医薬品安全処がどのような選択を下すのかも市場の注目の的だ。

 セルリードは、2006年12月に設立された抗がん免疫治療ワクチンを開発するバイオテックだ。アデノウイルスベクトルプラットフォーム技術を有している。

 セルリードの関係者は「セルリードプラットフォームは、ウイルスベクトルに効力の高い抗原を開発して搭載すればよく、早く抗原を開発できる能力を確保していることがセルリードの強みだ。今後、使用許可を受ければ、新たに出現する変異株に迅速に対応できると見ている」と述べた。
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