尹政権、労組の違法ストに「強制解散」...政府の遅い措置に批判の声も=韓国(画像提供:wowkorea)
尹政権、労組の違法ストに「強制解散」...政府の遅い措置に批判の声も=韓国(画像提供:wowkorea)
韓国では貨物連帯に続くテウ(大宇)造船下請け社労組の違法ストライキが辛うじて終わった。しかし、依然として労組の横暴が猛威を振るっている。

 韓国北東部、カンウォンド(江原道)ホンチョン(洪川)郡にあるハイト真露の江原工場で、全国民主労働組合総連盟・公共運輸労組の貨物隊が4日間座り込みストを強行した。そうした中で、物流車の通行路を占拠した組合員12人が警察に現行犯逮捕されたと、5日、ノーカットニュースなど複数の韓国メディアが報じた。

 尹政権発足以後、警察が労組の違法デモに対して、公権力を動員して強制解散したのは初めてだ。尹政権は産業現場の違法行為に対して、厳正対応すると公言してきた。

 5日、江原警察庁によると、同連盟労組の貨物連帯組合員12人を業務妨害容疑などで逮捕した。

 2日から貨物車約20台を動員して工場に出入りする道路を遮断している組合員に、解散命令を下したが応じなかったという理由からだ。

 前日、警察の機動隊が物流車の通行路を確保したことで出庫が再開された。しかし、現在は再び出庫が中断されるなど支障をきたしている。

 今回のデモに参加した組合員は約300~400人。警察による強制解散は、過去の文政権ではほとんど見られなかった。強制解散が強行される中で、一部の組合員は川に飛び降りたが救助された。

 貨物連帯は6月、政府と最低輸入保障を盛り込んだ安全運賃制の延長に合意している。しかし、傘下であるハイト真露には運送料30%引き上げなどを追加で要求し、イチョン(利川)やチョンジュ(清州)工場で貨物車の通行を妨害してきた。裁判所が会社側の業務妨害禁止仮処分申請を受け入れると、今度は自分たちと関係のない江原工場に集まってデモを行ったのだ。その結果、国内ビール生産量の60%以上を占める同工場は、ピーク期であるにもかかわらず、ビールの出庫ができずに会社側が莫大な被害を受けたという。

 このような状況で、革新系野党「共に民主党」は、ストライキ労働者に対する損害賠償訴訟などを制限する別名「黄色い封筒法」の制定に、積極的に乗り出すと最近明らかにしている。尹政権や与党が対応を誤ると、さらに違法デモが多発しかねない。

 イーデイリーの5日付社説では、「違法ストの保護膜として働きかねない同法が可決される場合、労組の暴力的行動をさらにあおる可能性も排除できない」と憂慮を示している。

 同紙は「違法ストに対する物差しと対応が状況によって変わり、顔色をうかがうような法執行が繰り返されれば、(労組)の無理強いを誰が防ぐのか、政府は反省してほしい」と、決定的な瞬間には公権力の行使にちゅうちょし、労組の顔色をうかがうことに汲々(きゅうきゅう)としてきた政府を批判した。
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