韓国最高裁、「亀尾3歳女児死亡事件」実母の有罪は「立証不足」…追加の審理が必要(画像提供:wowkorea)
韓国最高裁、「亀尾3歳女児死亡事件」実母の有罪は「立証不足」…追加の審理が必要(画像提供:wowkorea)
韓国のキョンブク(慶北)クミ(亀尾)市のヴィラ(低層集合住宅)に1人で放置され死亡した3歳女児の実母ソク被告(49)が再び裁判を受けることになった。

韓国最高裁判所は16日、未成年者略取と死体隠匿未遂の容疑で起訴されたソク被告に対し懲役8年を宣告した原審を破棄し、事件をテグ(大邱)地方裁判所に差し戻した。

有罪を立証するための審理が不十分だというのが最高裁判所の判断だった。DNA鑑定を通じソク被告と死亡した女児Aちゃんの母子関係が認められたものの、これを未成年者略取と結びつけるには証明力が足りないというのが結論だった。

最高裁判所は、「ソク被告の行為が略取に該当するかを判断するためには、目的と意図、行為当時の状況、行為の様態と種類、手段と方法、被害者の状態などに関する追加的な審理が必要」と指摘した。

特に、1・2審で犯行動機と判断された「出産事実を隠そうとする意図」についても、「娘と孫が、家族をすべてだましてすり替えの犯行を強行するだけ愛情において差がある存在だと考えることができるかも疑問」と判断した。

そして、「そのような動機で犯行を強行したならば、Aちゃんが死に至るまで相当な期間、積極的に面倒を見なかった行動を説明するのは難しい」と結論を下した。

最高裁判所はまた、1・2審が有罪と判断した根拠として認めた間接証拠についても疑問を提起した。子どもがすり替えられたと推定される時期の前後に病院に記録された子どもの体重が大きく変化したことについては、「新生児の体重は出生後3~4日間、胎便と水分の排出により5~10%減少し、出生後4日目に最低体重を記録する場合もある」と指摘した。

また、Aちゃんの足に付いていた識別バンドが外れていた部分についても、「看護師らの陳述に違いがある以上、追加の調査を通じ分離可能性についてさらに正確な審理が必要」と判断した。

最高裁判所の関係者は、「遺伝子検査の結果が直接証明しない別途の事実関係である争点の公訴事実を認めるためには、刑事証拠法の一般的な法理に基づき合理的な疑いがない程度の証明が必要」と説明した。

今回の事件は、昨年2月にソク被告の通報により初めて明らかになった。ソク被告の2番目の娘キム氏(23)が自身の娘だと思い育てていた女児Aちゃんが死亡しているのを確認したソク被告が警察に通報した。警察は捜査段階でAちゃんの実母がキム氏ではなくソク被告だという点を確認し、未成年者略取などの容疑でソク被告を拘束した。
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