中国の王毅(おう・き)国務委員兼外相はきのう(16日)、パク・チン(朴振)韓国外相との電話会談で、特に互恵協力に関して「中韓両国はデカップリング(脱同調化)の否定的傾向に反対し、世界的産業供給網を安定的に維持すべきだ」と語ったと、中国外務省が伝えた。
これは、韓国のIPEFへの参加と米韓首脳会談をけん制した発言だとみられる。尹大統領はきのう、国会の施政演説で「(米韓首脳会談で)IPEFを通じた供給網協力の強化方案を話し合う」と初めて公の席で言及した。
「IPEF」はインド・太平洋地域の包括的経済協力体であるが、中国が推進しているRCEP(地域的な包括的経済連携協定)とCPTPP(TPP11・環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)に対する米国のけん制的な性格が強く、域内において「反中連帯」の性格を帯びたものだとみられている。日本・韓国・オーストラリア・ニュージーランド・シンガポールなどが発足メンバーとして参加するとみられ、ASEAN(東南アジア諸国連合)10か国のうち中国と友好的なミャンマーとカンボジア・ラオスは距離を置いている。
中国は早くから米韓同盟の強化を重視する尹政府に対し、ガイドラインを提示した。習近平中国国家主席は尹大統領の就任祝賀団を派遣し、王岐山(おう・きざん)中国国家副主席は尹大統領と会い、北東アジア次元での地域協力体制を主張した。
それにもかかわらず韓国政府は、IPEFとクアッド(Quad・日米豪印の4か国安保協議体)への参加に力を入れようとしている。“IPEFは反中同盟だ”という指摘に対して、パク外相は「ある国をねらったものではなく、中国と直接的に利害が衝突することはない」と線を引いている。
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