青瓦台のドアが市民に広く開かれた初日の10日、青瓦台本館前の大庭園で会ったキム・ジョンシクさん(68)はマスクを下ろして大きく息を吸った。 ソデムン(西大門)区に住むというキムさんは「この間、青瓦台は遠くから眺めて通り過ぎるだけだったが、このように正門を通って入ったのは初めて」とし「木がたくさんあるから爽快だ」と笑った。
新政府が大統領執務室を龍山に移転し、大統領府は同日から一般市民が自由に出入りできる「市民の公園」空間に変った。大韓民国政府樹立以来74年ぶりのことだ。
大統領府周辺は正式開放記念行事が始まる前の午前9時から市民でにぎわっていた。 国会で開かれた ユン・ソギョル大統領就任式で就任辞が終わったこの日午前11時38分頃、行事の司会者が「青瓦台正門開放」と力強く叫ぶと、太鼓の音と共に固く閉ざされていた鉄格子のドアが大きく開かれた。 梅の花束を持った地域住民と学生など国民代表74人が正門を通じて入場し、後に続き数千人の人々が嘆声を上げたり手を叩きながら順に入った。
観覧客は青瓦台サランチェ(別棟の広間)の向かい側にある迎賓館からも入場し、迎賓館を過ぎて本館、官邸、春秋館まで約50~60分かかる散策路を楽しむことができた。
平日午前なので若年層よりは中高年層が多かったが、途中で家族連れやデートに来た恋人の姿も見られた。 登山服を着た高齢者たちは三々五々集まって本館前にある大庭園と小庭園の隣の芝生にござを敷いて簡単な茶菓を楽しんだりもした。
この日、事前登録を申請した観覧客だけでなく、現場で入場を希望する人も入ることができた。 会社員の金さん(35)は、「昼食を食べた後、聞いてみたところ、入場できると聞いて入った」とし、「今後、良い散策路になりそうだ」と話した。
集会とデモの聖地だった青瓦台付近は「祭りの場」に変身した。 デモ隊の拡声器の音は初日の開放記念行事の歌声に変わった。 道路の片隅にいつも駐車していたソウル警察庁警備隊バスの代わりに数十台の観光バスが位置している。
散歩に出てきた近隣住民は「町内の雰囲気が変わった」という反応を示した。 ヒョジャドン(孝子洞)で20年以上暮らしてきた金さん(78)は、「毎日、デモ隊が音楽を大きく流して楽器を叩いたり、うるさすぎてストレスだった」とし、「でも今日は宴会場のような雰囲気だ」と興奮した声で話した。
近隣商人たちは青瓦台が観光スポットとなり、「青瓦台特需」となることを期待しているようだ。
一方、青瓦台国民開放のために先月27日午前10時から観覧申請を受け付けた結果、3日で112万人を超えるなど国民の高い関心を受けた。 22日まで多彩な行事プログラムが公開される予定であり、毎日午前7時から午後7時まで6回にわたり回次別6500人ずつ最大3万9000人が青瓦台を観覧できる。
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