「最後の青瓦台の大統領」文大統領、世論の混乱・不動産の宿題を残して9日退任=韓国報道(画像提供:wowkorea)
「最後の青瓦台の大統領」文大統領、世論の混乱・不動産の宿題を残して9日退任=韓国報道(画像提供:wowkorea)
ムン・ジェイン(文在寅)大統領は9日、5年間の任期を満了して退任する。パク・クネ(朴槿恵)前大統領の弾劾により誕生し、朝鮮半島の平和と不動産市場の危機、そして新型コロナウイルスなどの荒波を経て歴史の1ページになる。大統領執務室がヨンサン(龍山)に移転することになり、「最後のチョンワデ(青瓦台/韓国大統領府)の大統領」という別名も得る。

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文大統領はこの日、任期最後のスケジュールとしてヒョンチュンウォン(顕忠院)とヒョチャン(孝昌)公園の独立功労者墓地を参拝し、青瓦台で退任演説を行う。午後にはシンガポールのヤコブ大統領と会談し、中国のワン・チーシャン(王岐山)国家副主席とも会談する。続いて午後6時、キム・ジョンスク(金正淑)夫人とともに青瓦台を後にする。

文大統領が最後の対国民演説で任期内に総力を挙げた朝鮮半島の平和と司法改革、そして不動産問題と新型コロナウィルスの防疫などに関するメッセージを発するものとみられる。次期政権の発足を控え、国民の団結も要請するものと予想されている。

ろうそくデモが吹き荒れる中で誕生した文在寅政権は、支持率が一時80%に迫ったが、国家情報院と検察、警察など権力機関に対する強力な改革を推進する過程で混乱を招いた。チョ・グク前法相を巡(めぐ)る論議が代表的だ。高位公職者犯罪捜査処の設置と検警捜査権の調整を経て検察捜査権完全剥奪法案が閣議で決定されるまで、葛藤の連続だった。

不動産市場の混乱も克服できなかった傷として残った。住宅価格の急速な上昇は国民の不満の拡大につながり、支持率は半分近くにまで下落した。任期の中盤からは全世界を襲った新型コロナウイルスにより防疫以外の重要課題が後回しにされるなど、紆余曲折(うよきょくせつ)が続いた。

悪材料にもかかわらず、文大統領は40%台の高い支持率を維持し、退任直前まで国政運営能力を維持してきた。ただし、高い支持率にもかかわらず、与党が大統領選挙で敗北し、政権継続に失敗した。大統領の支持は堅かったが、政権交代は阻止できなかった皮肉の中で、その評価は歴史に委(ゆだ)ねられることになった。

文大統領は「退任後は平凡な市民に戻る」と公言しているが、今後も相当な政治的影響力を及ぼすものとみられる。今月末にはジョー・バイデン米大統領の訪韓の際に会合が予定されており、残り1か月を切った6月1日の地方選挙にも直接・間接的な影響を及ぼす可能性がある。
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