韓国の保健福祉部(厚生労働省の厚生部分に相当)はこのような予測に「国民年金は国家が法で運営している社会保険制度で、受給者がもらうことができない事例はあり得ない」と伝えた。もちろん、年金を受け取ることのできないという重大事態は想像しがたい。かわりに昨年だけでも国家負債が100兆ウォン(約)以上も増えた公務員年金・軍人年金のように、国が借金を支払わなければならない。このように積もっている借金も未来の世代の負担となるのに、90年代生まれの人たちは30余年後の年金持続のために、所得の30%以上を支払わなければならなくなるかもしれない。今の国民年金の保険料率は9%だが、個人の負担は4.5%にすぎない。1998年以降24年間、凍結されている状態だ。韓国が年金改革のゴールデンタイムを逃している間、ドイツ・日本などの先進国たちは社会的合意を導き出し、後輩世代に負担を転嫁させる不公平問題をかなりの部分克服している。
ドイツは「年金法改革2001」を通じて、保険料率が2030年まで22%を超えないように上限を設定した。持続的な保険料率引き上げに対する加入者の懸念を払拭したわけである。2004年当時ゲアハルト・シュレーダー首相率いるドイツ政府は、年金の「脱政治化」のために人口構造と労働市場の変化を反映させ年金額を調整する「自動調整装置」を導入した。日本も2004年、自動調整装置と保険料率の上限制(18.3%)を導入し、年金の脱政治化に成功した。韓国もこれをベンチマーキングして5年ごとの年金財政再計算制度を導入したが、ムン・ジェイン(文在寅)政権で止まってしまった。「より多く払い、少なく受け取る」または「より多く払い、より多く受け取る」など、何の方法も提案できないまま手を引いてしまったのである。
「年金改革」はよく「象を動かすこと」のように困難だと比喩される。あまりにもどっしりしているため、持ち上げることが難しい象のように「難題だ」という意味である。ややもすると象に踏みつぶされるかもしれない。そのため、涸れはてた警告音が鳴り続けるにもかかわらず、与野党の次期大統領選候補たちが「戦略的に」沈黙を貫いている理由でもある。「人気迎合」には素早く、「国民説得」には無能な大統領が現れるか心配だ。
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